原知恵子
2015年5月9日10時35分
大型連休中の3日、ヘビのようなトカゲのような不思議な生き物「つちのこ」の捜索イベントに村の人口を超える約2800人が詰めかけた岐阜県東白川村。この村が「つちのこの目撃情報日本一」を掲げ、村おこしを始めたきっかけは――。元村長の桂川眞郷さん(85)が今春、資料や自身の記憶をもとに冊子「回想 つちのこ村誕生」をまとめた。
桂川さんは1987~99年、村長を3期12年務め、全国唯一とされる「つちのこ資料館」開設事業や、現在も続くイベント「つちのこフェスタ」など、つちのこ関連の取り組みに尽力した。
なぜ在任当時、つちのこ話が盛り上がったのか。桂川さんによると、つちのこは村にふってわいた話題ではなく、「昔から目撃情報はあったが、『しゃべると災いが起こる』との言い伝えがあり、表に出てこなかった」。
88年、役場に寄せられたつちのこ目撃情報が村の広報誌に載ったことで風穴があき、「私も見た!」と情報が相次いだ。折しも翌89年は立村100年で、「ヘビにも似ている」とされるつちのこを連想させる「巳(み)年」。竹下内閣が「ふるさと創生」を打ち出していたこともあり、「つちのこ村おこし機運」は一気に高まったという。
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