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電話番号での通話は時代遅れ? 仕事でもLINE必須の時代が、近い将来訪れます
タブロイドより転載:どんなに嫌でも、時代が許してくれない?
皆さん、スマホのメッセージアプリ『LINE』は使っていますでしょうか。おそらく、使っている方は多いかと思います。
手軽に使える「スタンプ」や無料通話など、とても使い勝手がいいですよね。家族や友達との連絡だけでなく、仕事に使っているケースもあるでしょう。
その一方で、LINEが普及しだした頃から現在にいたるまで、LINEを好まない方も一定数います。理由はさまざまですが、特にセキュリティーやプライバシーを気にする人が多い様子。
こういった意見があるのはおかしなことではないと思いますし、不安なら無理に使う必要もありません。今までどおり、メールと電話でも十分でしょう。
...と、言いたいところなのですが。残念ながら、こういった「反LINE」派の皆さんも、LINE(もしくはそれに準ずるメッセージアプリ)を使わざるを得ない時代がもうすぐ来てしまいそうです。それも、仕事で使わなければならなくなる可能性すらあります。
今は「LINEやってる?」と聞かれても、かたくなに「俺はLINEはやらない」で通せているでしょう。しかし、数年後には「LINEやれ」と、会社からの命令が来るようになるかもしれません。そう、「ケータイの電話番号を会社に連絡しておけ」と同じノリで。
一体どういうことなのか。恐るべき(?)「LINE必須時代」の到来について、お話しいたしましょう。
すさまじいLINEの普及率
まずは、こちらの表をご覧ください。電通が調査した「若者まるわかり調査2015」というアンケートの結果です。
注目してほしいのがLINEの普及率でして、大学生以下では90%程度、女子高生に至っては100%に近い数字です。つまり、今の若者は、LINEを使っていない人を探すほうが大変という状態になってしまいました。
「そんなに使用率が高いのは若者だけでしょ?」と思われるかもしれませんが、ここで言う若者には大学生も含まれています。つまり、来年以降の新社会人は、90%以上がLINEを使っているわけです。
さらに、高校生もこんな状態ですから、これから毎年入ってくる新社会人たちはほぼ全員がLINEユーザーです。一方、LINEの普及率が低いベテラン社員たちは定年などで減っていく一方ですので、これから社会人のLINE使用率は爆発的に上がっていきます。
気がつけば、会社の中でLINEをやっていないのは自分ぐらい...なんて状態が、現実に起こりえるかもしれませんよ。
格安スマホとデータSIMの存在が後押し
とはいえ、周りが全員LINEを使っていようが、電話とメールさえあれば最低限の連絡は取れます。自分がLINEを使う必要はありません。
ところが、です。これからだんだんと、電話番号を持たない若者が増えてくる可能性が出てきてしまいました。というのも、格安スマホの「データ通信専用」プランがあるからです。
「データ通信専用」プランとは、LTEなどのインターネット通信は普通に使えますが、音声電話が使えないプランのことです。つまり、電話番号は付与されません。
業者によりますが、通話付きプランとデータ専用プランでは、2倍近い価格差があります。参考までに、以下の記事をご覧ください。
社会人であれば、携帯番号は必須です。しかし、学生ならどうでしょうか?
前述のとおり、学生のほとんどはLINEを使っています。そしてこのLINEは、データ通信専用プランで音声通話も使えるのです。
さらに、高校生ともなれば、スマホの維持費を親に払ってもらっているケースも多いはず。家族や友達との連絡にはLINEがあれば困りませんので、親ができるだけ維持費を抑えようと「データ専用プラン」を子どものスマホに使う家庭も増えてくるはずです。
電話番号がなくても何も不自由しませんので、この学生はそのまま大学へ進学し、社会人になります。そう、電話番号をもたず、連絡方法がLINEしかない新社会人の誕生です。
こういった新社会人が極めて珍しい例であれば、その新入社員を電話番号のあるプランに変更させたり、Skypeなどの電話番号を持たせればいいでしょう。(会社が費用を負担する必要があるかも?)しかし、電話番号の必要性が薄まって来つつある現在、このような若者はこれから一気に増えてくると思われます。
もし、新しく入ってきた新入社員の、ほとんどが電話番号を持っていなかったら...? いっそ、社員全員がLINEを使ったほうが早い、という結論に至る可能性も否定はできないでしょう。
あなたがどれだけセキュリティーを心配してLINEを使いたくなくても、時代がそれを許してくれません。「LINE必須時代」は、決してありえない未来ではないと思います。
まだ格安スマホ自体のシェアが低いため、こういった流れは生まれていません。しかし、早ければ来年ぐらいには、「電話番号を持たぬ若者」が話題に上がり始めるのではないかと私は予想しています。
それでもセキュリティーが心配
そうはいっても、「仕事の重要なやりとりをLINEでなんてありえない!」という方も、いるはず。そうですね、私もそれはありえないと思います。
機密に触れるような連絡は、今まで通り会社のメールを使うと言うのは変わらないでしょう。ここで言う仕事上での「LINE」のやりとりというのは、あくまでも「機密に触れないような簡単なやりとり」のことです。
それこそ、屋外の人がいる場所でも電話で話せるような、軽いやりとりのみです。重要な連絡をスマホでなんていうのは、今後もそうそうないでしょう。
ありえない...はずです。いや、ちょっとどうかな。今の非常識が、数年後には常識になっていることだってありますからね。もしかすると、LINEで機密情報のやりとりをするような時代が、いずれ来たりするかもしれません。
LINE天下はいつまで
とはいえ、LINEも人間の手によって作られたもの。いずれは、もっと優れたサービスに取って代わられるだろう、と思われた方も多いはず。
もちろんその可能性は十分にあり、意外にも数年後にはシェアを失っているかもしれません。その時は本記事のLINEの部分を、他のサービス名に読み替えてください。
どちらにせよ、安いデータ専用プランで事足りるようになりつつある今、電話番号を持たない人が増えてくるのは間違いないでしょう。携帯番号を使わず、アプリが連絡手段の主流になる時代は、そう遠くなさそうです。
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(コンタケ)
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