結局いきついた一本〜新規導入のカーボン三脚のファーストインプレッション〜
フィールドフォトグラファーにとって意見が割れるのが「三脚」かも知れない。ボクはどちらかというと、動きながら、せっせとパシャパシャやりたい派なのですが、じっくり三脚を据えて撮りたいという派閥もたくさんいらっしゃって、そういう人たちにとっては三脚は必須アイテムです。
ボクが初めてデジタル一眼レフカメラ(K100D)を買った時、色々相談した結果カメラ系じゃない量販店でも売っている5,000円にも満たない三脚を買うことにしました。結果、それでホボ不満はなくやって行けたのですが、メイン機材をK-7に変えたと同時に使用レンズも重くなりはじめ、もう少ししっかりした三脚が欲しいということで「INDURO」のそこそこしっかりした物を買い足しました。
最初の安価な三脚はK100Dを売り払った時に一緒に処分して、今まではそのINDUROと、それに何故か付いて来た背の低い「SLIK」の三脚にプラスGORILAPODという三本を持っていましたが、ちっこいSLIKはほぼ使ったことがなく、INDUROの方も重いので滅多に使うこと無く今にいたっていました。
まぁ、結論を言うと、ボクの写真ライフにおいてそこまで三脚は重要じゃなさそう。そういうことだったんですが、前にブログにも書いた通り、物欲ってたまに発作的にやってくるわけで、その折に調子に乗ってGITZOのうん万円もする三脚を買ってしまったんですよね。
→「三脚購入で悩み過ぎて禿げそうっていう話」
→「【速報】PENTAX K-3、DA★55mmF1.4、HDリアコン、ジッツオ三脚購入!!」
ところがちょっとあって、このGITZO様は使用機会に恵まれること無く旅立たれて、それからよくよく考えた結果、「安めの三脚を買って、使い倒しながらもう一度考えよう」という考え方にシフトし、その結果購入したのが今回紹介する三脚ということです。
箱の横にデッカく「PROFESSIONAL」と書かれたこいつは、eBayで買いました。
箱のどこにも、そして本体にもブランド名は見当たりませんが、概ねのデザインや作りは中華ブランドのBENROっぽくて、OEMとかそんなところだと思います。
お値段は1万円以上しますが、雲台もついて“一応”カーボン製ということを考えるとバーゲンプライスでしょう。
入っているのはこいつら。
三脚本体、首延長パーツ(兼一脚用パーツ)、そしてキャリーケース。
INDUROには金具の絞め具が入っていて、だいたいの「プロ」クラス三脚はそういう物がついていると認識していますが、こいつには付いていませんでした。その観点で考えるとこいつは、、、プロフェッショナルの名に恥じる?かもです。
主なスペック
では細部を見て行きます。クルクル系の留めパーツはボクにとっては初です(INDUROはパチパチ系)が、これの方が自分は好きだと思っていましたので選んだポイントのひとつです。
四段式ですので閉まった時は最短で44.5cmになるので結構コンパクトです。
この最短というのは脚を逆向けにした場合で、その状態になることを忘れていたので写真撮り忘れていますが、GITZOのトラベラーのあのやり方です。通常方向の脚の場合59.5cmほどの長さになります。
ちなみにキャリーケースの長さは約62cm。
重量は2.46kgで最大積載重量12kgとのこと。
※共に雲台の首を曲げた状態の大まかな実寸値です。
雲台
雲台ちゃんは直径約8.9cmのボールで支える自由雲台型。ボクは3Wayより自由雲台派ですのでこれはGOOD 。尚かつフリクションコントロール(テンションコントロール)付きなのでさらにGOOD。
クイックシューもアルカスイス方式なので面倒ではあるものの確実に閉まるし、互換性の観点からもGOOD。
要するにVERY GOODな雲台なわけですが、噂ではBENROと同質と言われて信じて買ったこの雲台の信頼性は実働させてみないことにはわからないので、「GREAT」かどうかはまた後日レビューしたいと思いいます。
レバーは3つ付いていて、首を緩めるのと、フリクションコントロールと、パンの調整用です。パン用には角度のメモリもついているので一応パノラマ撮影等の用途にも対応できそうです。
脚部〜全体像
この三脚ですが、まえにハゲそうになっていた時に書いた記事で候補にあげていた「MeFOTO」と同じ仕様で、三脚の内の一本が取れ、一脚化できるのですが、MeFOTOとこいつには大きな違いがあるのでちょっと後でその点は書きますが、この南京錠のロゴはその抜ける一本を緩める方向を示したものです。
また、その上部、段階的に脚をひらけて、上記にも書いた通り180度逆向きまで開くこの三脚の段階ロックはこのつまみです。
最新のGITZO三脚はちょっと違いますが、一世代前はよく似た機構でして、中華メーカーがフランスやイタリア系三脚を研究(模倣??)しながら製品作りをしているのがよくわかります。逆に日本のメーカー(SLIKやベルボン)は独自進化すぎて世界では不評らしいですね。
ちなみにロックバーは固めです。
一番短い状態で立たせるとこんな感じ。「INDURO」の三脚と結構似ています。そういえば今「INDURO」は「BENRO」が吸収したと聞いているので認識が確かなら、この似ているという感想は妥当ですね。
ちなみにカーボンなのですが、ウレタンが2本に巻かれています。
ちょっと撮影場所悪くてみえにくいですが、四段全部伸ばしたらこんな感じです。首も伸ばしての全長157cmちょいです。ボクは首は伸ばさない派なので、身長173cmの至って平均的な身長(日本人として)にはちょっと低い感じになっちゃいますが別に困る気はしていません。
その首は伸ばすとこんな感じです。もっと太いパイプ系の三脚ならあれなのかも知れませんが、ボクはふらつきまくりそうで基本的に伸ばして使う気になれません。
首の反対側にはフックが付いていますので風がある時など三脚側重量を増やしたい場合に使えます。
ちなみにこの三脚の対負荷は8〜12kgと書かれています。多分5, 6kgまでは大丈夫と信じていいかな?というところですが、どっちにしてもボクの機材の中で最高に重く載せたとして3kg行くかどうかという現状、まず間違いなくこの子でガッツリ保持できるでしょう。
全体的に作りは悪くないと思います。合成や細部の強度は安物という雰囲気は全くありません。3万円くらいで売っていても普通に納得すると感じる質はあると思われます。
一脚化機構
さて、先に書いていた抜ける脚のパーツを取ってみました。
ちなみにカーボンタイプの三脚はブランドやシリーズによって柄が違ったりしますが、こいつは縦縞です。何かカーボン柄としては一番ダサいかも?とか思いいましたが、まぁ、別にそこまできになるポイントでもありません。
この三脚がMeFOTOと一番違うのは最初の写真に載っていた付属パーツが一脚用のパーツとして使えることです。
これがMeFOTOの三脚を一脚化した写真です。「MeFOTO」と書かれたウレタングリップの位置がわかりますか?この位置がかなり低くなってしまうのです。
それはこの三脚が「首部分」を引っこ抜いて、足の一本と合体させることで一脚化するというやり方で“一脚にもなる三脚”を実現しているからです。
全体像を撮っていません(計画性ないなぁ…)のでわかりづらいですが、この三脚の場合、カメラマウント部のすぐ下にウレタングリップがくる構成になります。
確かにMeFOTOのやり方だとパーツが少なくていいのですが、あのグリップ位置だと使い勝手が最悪になってしまいます。ウレタン部を握ることを諦めるか、バランス最低の位置で握ることにするかという選択肢になってしまうわけです。
MeFOTOの方は、雲台もそのまま流用するため、一脚ながら三脚で使っているままのクイックシューで使えるわけですが、正直一脚でぐりぐりアングルを動かすことになるかというと、「うーーん」というところなので、ボクは結論的にはこちらの方式が好きです。
まぁ、カメラに付けているクイックリリースプレートを毎度外さないと一脚使えないというのも微妙ですけど(ボクはプレート付けっぱ派なので…)。
まとめ
ということでとりあえずファーストインプレッションをダーーッと書いてみましたが、この三脚のお気に入りポイントは、
- 安価なカーボン三脚
- コンパクトになる
- ツイストロック式
- 雲台が3GOOD(フリクションコントロール/自由雲台/アルカスイス互換)
- 一脚にもできる(グリップ位置NICE)
- キャリーケース付き
このあたりですが、実際使ってみないと善し悪しはわからないのでまたこいつと一緒に撮影に出たら実写稼動レビューしなきゃといったところです。
今の所いい選択をしたとは思っていますが、一番のネックは雲台の信頼性です。雲台部分がバッチリ留って行けそうだったら長玉用のプレートと、サブ機用のプレートをちょいちょっとeBayしちゃおうと思っています。
ボクなりに考えて考えぬいた結果行き着いた所なので三脚気になっている方は続きのレビューをお待ちあれ。