「日本に韓国友好勢力をつくれ。それを育てて、国が自ら謝罪するように仕向けるべきだ」
反省しない加害国からいかに謝罪を引き出せばよいのか。ポーランド屈指の知識人として知られるワルシャワ大のカジミエシュ・ブイチスキー教授(66)は単刀直入な質問に対し、「内部で合意が形成された謝罪でなければ、いつでも状況によって覆される。今の日本を見れば分かるではないか」と答えた。
ブイチスキー教授は、1980年代に英BBCのドイツ特派員を務め、ドイツとポーランドの知識人によるグループ「コペルニクス・グループ」を率いてきた。その功績でドイツ政府から十字勲章も受章している。ブイチスキー教授はポーランドとドイツの和解が可能だった決定的な理由の一つとして、持続的な民間交流を挙げた。ブイチスキー教授は「世論に敏感な政界は、歴史問題に関する謝罪問題でも柔軟さで劣る。絶え間ない民間交流で当事国間の共通の利益を探ることが重要だ」と指摘した。
ブイチスキー教授は歴史問題の整理について、「誤った部分をすべて洗い出し、一度に正そうとする焦りを捨てるべきだ」と呼びかけた。その上で、「学校で日本と関係が良かった時代があったことについて学んだことがあるか」と記者に問い返した。三国時代の百済以外には思い浮かばなかった。ブイチスキー教授は「調べていけば、必ずそういう時期や歴史的人物が見つかるはずだ。時間をかけて歴史全体を復元するという姿勢が求められる」と語った。
こうした和解法はドイツと比べ相対的に弱小な存在であるポーランドの自己合理化ではないかとの問いに、ブイチスキー教授は「それならば大国になり、加害国に一気に報復することが最善だというのか。そうしてはならないというのが歴史の教訓だ」と答えた。