2014年8月28日(木)
「アイ・ラブ・テイルズ オブ@Web」第8回/馬場プロデューサーにインタビュー!
■新キャラクターの2人はそれぞれ確固たる“信念”を持つ
――新キャラクターとしてローランス帝国のセルゲイが発表されました。彼は騎士団の団長ですが、どんな人物なのでしょうか?
馬場:セルゲイはわかりやすくひと言で現すならば、無骨で律儀でしょうか。正義感が強く、部下たちの信頼も厚い、まさに騎士の鑑ですね。彼は常に「騎士団は本来どうあるべきか。誰を守るべきなのか」と考えているんです。騎士団は皇帝のためにあり、民や国を守るために剣を持つべきだと。それがあるゆえに、現状のローランス帝国が置かれている状況にジレンマを感じています。政治的な部分を含めてね。
――まっすぐな芯を持つ熱い男ですね。
馬場:忠義と国民を大切にする想いをしっかり持った男で、だからこそそんな彼の生きる姿勢というか、行動に対して、周りからの信頼も厚いんです。
――騎士としての考え方は、どことなくアリーシャにも通じる部分があります。
馬場:ええ。今回は騎士のテーマという部分で考えたとき、セルゲイもマルトラン(ハイランド王国の女騎士)も、キャラクター性だけでなく騎士としてのアイデンティティを成り立たせたかったんです。だから、デザインも騎士として確立するものにしています。
――彼は親衛部隊・白皇(はくおう)騎士団を率いていますが、騎士団はこれ以外にも存在するのでしょうか?
馬場:そうですね。ゲーム内では描かれませんが、設定では帝国内にはいろいろな騎士団が存在します。
――彼のプロフィールには天族の見えない攻撃にも反応できるとありますが、天族が見えているわけではないんですよね?
馬場:もちろんです。セルゲイは普通の人間なので、天族は見えませんからね。かといって常人ばなれした力を使ったりとかではなく、経験を積んで会得した匠の技というか、戦いの達人という表現が近いかもしれません。
◆セルゲイ
CV:堀 秀行
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ローランス帝国の皇帝に直属する親衛部隊・白皇(はくおう)騎士団の団長。その立場上、軍事だけでなく政治中枢にも深いコネクションを持っており、帝国内部に渦巻く災厄に対処すべく活発に行動している。帝国への忠義と民への献身を重んじる熱血漢で、部下たちからの信頼も厚い。だが一部の人間からは、融通の利かない煙たい存在として敵視されているようだ。霊応力は人並みだが騎士としての戦闘能力は常人の域を超え、天族の見えない攻撃にも反応できるほど。さらには初代団長より伝承される秘技「獅子戦吼」をも使いこなす。ローランスに入ったスレイと出会い、とある事件をきっかけに剣を交えることになる。
――もう1人の新キャラであるルーカスは「木立(こだち)の傭兵団」という傭兵を率いていますが、彼は物語でどう立ち回るのでしょうか?
馬場:ルーカスは騎士とは違う信念を持つ男です。「すべては金なんだぜ」と語るのですが、彼のこの言葉の裏には何があるのか、そこに注目してほしいキャラクターです。「金がなきゃ……」と言いつつも、その裏では冷静に考えて行動しています。そこには金だけでは語れない、彼が背負っているものがある。例えば家族を守らなきゃいけないとかね。そんな傭兵団としてのポリシー、確固たる信念があるから、ルーカスを中心に人が集まるわけです。「この人について行こう!」と思わせるキャラクターだと思います。
――いわゆるカリスマ性があるということでしょうか?
馬場:ええ。そこはルーカスだけでなく、アリーシャやセルゲイからも感じていただけるんじゃないかな。
◆ルーカス
CV:星野 貴紀
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ハイランドとローランス、両国の将軍クラスにもその名を知られている傭兵。彼が率いる「木立(こだち)の傭兵団」は、正規軍の主力部隊に劣らぬ力量を持つといわれ、ザコ憑魔を軽くあしらうほどの連携を誇っている。現在はハイランド王国を雇い主として活動している。ルーカスは、一見、金にがめつい無頼漢に見えるが、目の前の現実を冷静に見極める判断力と、自ら築き上げた揺るぎない価値観をもった人物であり、それが戦場で部下たちを生き延びさせる重要な要因になっている。
――しかしこれだけ明確に信念を持つキャラが顔を合わせると、たしかにいろいろとドラマが生まれそうです。
馬場:それぞれが国での立場もあり、わかりあえないですからね。でも、これまでの『テイルズ オブ』でもそうだと思うんですよ。信念があって互いに間違ったことを言ってはいないけど、時代がそれを許さない。結果としてぶつかり合ってしまう。そこがどう描かれるのかにも注目してほしいですね。
■ローランス帝国とスレイたちのかかわり
――ローランス帝国で大きな力を持つ教会ですが、スレイたちを“異端者”と呼ぶことから導師という存在は、教会にとっては認められない存在なのでしょうか?
馬場:導師は力もあり、その存在自体が民に与える印象が大きいんです。だからハイランド王国と一緒で、自分たちの権力を脅かすんじゃないかという懸念を抱いています。ゆえにスレイたちを認めず、異端者扱いすることで遠ざけようとしているわけです。
――ハイランド王国の大臣、バルトロはスレイの力を利用してやろうと画策している印象でしたが、ローランス帝国側のセルゲイは、どういった思惑で近づくのでしょうか?
馬場:セルゲイはスレイの導師としての力ではなく、どちらかといえば彼の人間性に触れ、一緒に世の中をどうにか変えられないかという想いでしょうか。だから教会とはまた違います。
――いろいろお聞きすると、スレイは対人間面ではとても苦労しそうです。
馬場:結局はそこもスレイの“導師になる覚悟”という部分にすべてつながってくるんです。前回のインタビューでもお話したように、導師になると人並みはずれた力を持つことになる。だから世の権力者にとって脅威になり、放置してはおけない。そんな存在を手元で囲ってしまおうという考えもあれば、逆に排除しようという考えもある。そのような人々の目、行動、ウワサ、いろいろなものがスレイの心にどう影響するのか、それに負けず彼はどう行動していくのかが、物語の柱でもあるんです。
――スレイは住んでいた場所が外界と接触がなかっただけに、そのピュアさで苦労しそうですね。
馬場:過酷な現実とのぶつかり合いですね。世の中のよごれ、汚い考え方にスレイがどう打ち勝っていくのか。彼を描く意味で今回のテーマの“情熱(ゼスト)”につながっていきます。
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▲セルゲイからこの国で起きている不穏な動きを知らされるスレイ。帝国の内部も一枚岩というわけではなさそうだ。 |
■マスコット的存在のノルミン天族
――まさかノルミンが天族とは思いませんでした(笑)
馬場:今回のマスコットというわけではないですけど、彼もれっきとした天族ですよ。ただ、通常の天族とは違って、そこまでの力は持っていないけど、加護は発揮できます。
――天族ということは普通の人間には見えないのですか?
馬場:見えませんね。
――ゆる~い感じがとてもラブリーですが、頭にかぶっているのは頭巾ですか?
馬場:これはベレー帽みたいなものです。かわいらしい、マスコット的な雰囲気は出したかったので、よくできているんじゃないかなと。
――テイルズ オブ フェスティバルの後夜祭で、馬場さんはノルミンTシャツを着ていましたね(笑)
馬場:特別扱いです(笑)。じつはこれは僕のほうからマスコットキャラで作りたいと言って先行したんですよ。これからもみなさんに喜んでもらえるように、ノルミングッズをいろいろと展開していこうかなと考えています。
――期待してます(笑)。あとはいろいろなカラーがあるのも気になりますね。
馬場:カラーの意味はまだ内緒ですが、個性出しの要素の1つではあります。オレンジ色が基本で、いろいろなカラーのノルミンがいますので、ぜひ捜してみてください。見つけると例えば「敵が、ある傾向を持ったアイテムを落としやすくなる」などの恩恵がありますよ。
◆ノルミン天族
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ノルミンは「ノルミン天族」と言われ、現在は各地に散らばり生活していると言われている。旅先で出会うノルミンに話しかけ、協力をして貰えるようになると、彼らの持つ特殊な能力効果の恩恵を得られる様になる。例えば、大樹の街マーリンドで出会ったノルミン天族「ディフェンス」に協力してもらうと、司る防御力アップのスキルを持つ装備品を敵からドロップしやすくなる。 この恩恵が得られる範囲は地域ごとに決まっているため、各地でノルミンを集め恩恵を得られるようにすることで冒険の手助けになってくれる。
▲ノルミン天族は街中だけでなく、フィールドにもいるようだ。どれだけのノルミン天族が登場するのかは、プレイしてのお楽しみ! |
■天族を切り替えて戦うパートナーチェンジ
――パートナーチェンジという、天族によってさまざまなバトルスタイルへのチェンジが可能ですが、戦闘に参加している天族とだけチェンジが可能なのでしょうか?
馬場:戦闘に参加していない天族ともチェンジできます。人間であるスレイとアリーシャは固定なので、ライラ(火)、ミクリオ(水)、デゼル(風)、エドナ(地)を切り変えて戦います。切り替えも十キーにどの天族を呼び出すかセットできるので、とても簡単にできますよ。
――神依(カムイ)のデザインも、それぞれの天族で印象がガラッと違いますね。
馬場:見た目に関してはかなり変化します。デザインの特徴もそれぞれの属性を考えて、エフェクトにも色の変化を入れています。また、神依ごとに武器も変化しますし、そこにおもしろさを感じていただけるんじゃないかなと。神依は『テイルズ オブ エクシリア2』の骸殻とは違って、この能力を使って敵を一瞬で倒すというわけではなく、攻撃のバリエーションを増やすというものですから。
――爽快感についてはいかがですか?
馬場:非常によくなってきてますね。
――はやく操作してみたいです!
馬場:すでに発表していますが、東京ゲームショウ2014(TGS)で試遊台を用意します。神依も体験できますので、ぜひ会場に来て触れてみてください。
――それは楽しみです! ちなみに神依は戦闘中に無制限で使えるのですか?
馬場:さすがにそれはないですね。神依って人間と天族が合体するわけですから、そうとう疲れると思うんですよ。そう考えると、好き勝手とはいかないんじゃないかな(笑)。今は何かしらを利用して神依を実行するとだけお伝えしておきます。
――神依を利用したコンボとか、ゲーマー視点でもかなり楽しめそうですね。
馬場:敵によっての適正もあるし、戦略を立てて戦えると思います。人によってプレイスタイルがガラッと変わるんじゃないかなと。アラウンドステップもありますしね。
――となると、制作はかなり順調ですか?
馬場:今はラストスパートのラストスパートです。最終的な調整はほぼほぼ終わりつつあり、各部分の調整を細かく終わらせて、あとは通してプレイしてみてのバランス調整かなと。ただ、戦闘のカメラワークは最後の最後まで調整すると思います。だから、TGSの体験版はその時点でのバージョンですね。
――TGSではどんなことを予定していますか?
馬場:最新映像の公開に体験版の試遊、あとはステージもやります。
――では最後に読者に向けてメッセージをお願いします。
馬場:完成に向けて、ラストスパートという名にふさわしい作業をしております。TGSではいろいろと発表したいと思っています。まずは9月13日に発売日を公開しますので、そちらに期待しつつTGSでお会いしましょう!
▲天族との神依は外見に加えて性能もガラッと変わる。状況を瞬時に判断して神依の相手を選ぶことが、勝利のカギを握りそうだ。 |
▼『テイルズ オブ ゼスティリア』
■対応機種:PS3
■ジャンル:情熱が世界を照らすRPG
■発売日:未定
■メーカー希望小売価格:未定
【関連サイト】
『テイルズ オブ ゼスティリア』公式サイト
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