英国の総選挙でデビッド・キャメロン首相が率いる保守党が単独過半数を獲得しました。

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現時点での保守党の議席数は329で、選挙前より27議席増えたことを意味します。

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SNPが50議席を増やしたことが目を引きました。また選挙前に話題をふりまいたUKIPは、わずか1議席に終わりました。

キャメロン首相は選挙戦の過程で「保守党が勝ったらEU離脱の是非を問う国民投票を繰り上げ実施する」と公約しており、今回、それが実現したことで約束を守る必要に迫られています。

世論は離脱支持32%、残留支持35%、わからない・投票しないが33%となっています。

なお、イギリスがEUのメンバーになることには昔から懐疑派が存在しました。その典型例がマーガレット・サッチャーで、彼女はイギリスの主権の一部がEUによって侵食されることをたいへん嫌いました。

その意味では、EU離脱を問う国民投票は、今突然イギリス国民の心がEUから離れてしまっているというよりは、昔からくすぶっていた問題を国民に問う機会がようやく到来したと言う風に理解すべきでしょう。

国民投票のタイミングは未定ですが、遅くとも2017年までには実施することが確実になりました。

FTSE100指数は+1.9%上昇しています。これは保守党が単独過半数になることで「宙吊り議会」になるリスクが回避でき、不確実性が除去されたことを好感するものです。