【東京聯合ニュース】鹿児島県南九州市が、旧日本海軍「神風特別攻撃隊」隊員の遺書などの国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界記憶遺産登録を再び目指していることが7日、分かった。
同市の知覧特攻平和会館は特攻隊員の遺書などを収蔵している。南九州市は昨年も登録に向け動いたが、日本ユネスコ国内委員会での審議で推薦対象に選ばれなかった。しかし、今年はあらためて2017年の登録に向け、文部科学省に申請書を提出する予定だ。
世界記憶遺産登録は特攻隊の美化につながりかねないという懸念について、南九州市は聯合ニュースに対し、「悲惨な戦争を二度と繰り返さず、世界平和を守るため残すべき重要な史料」と強調した。特攻隊員の遺書や手紙、隊員とゆかりのある女性の日記や子どもの手紙などの史料も登録したい考えだ。
ユネスコの民間諮問機関、国際記念物遺跡会議(ICOMOS)はこのほど、「明治日本の産業革命遺産 九州・山口と関連地域」(23施設)を世界遺産に登録するようユネスコに勧告した。しかし、日本政府は登録申請の対象を1850年から1910年としたために、端島(軍艦島)炭坑など7施設で約5万8000人の朝鮮人が強制労働を強いられた事実からは目を背けた。
歴史を直視し教訓にするというよりも、自国を美化し不都合な歴史を覆い隠す手段として世界遺産を活用しているとの指摘が出ている。