「カバンをタクシーに忘れたんです。ヘルプ!」
5日午後7時ごろ、ソウル市の麻浦警察署弘益地区隊(交番に相当)を中国人の男女が訪れ、英語混じりの中国語でそう告げた。勤務中の警察官は言葉の意味が分からなかったが、片言の英語と身振り手振りからようやく「何かをなくしたんだな」と推測することができた。
そうしているうちに、研修生として勤務していたホ・ジョンミン巡査(女性・28)は、翻訳アプリを利用してコミュニケーションを図ろうと提案した。その結果、2人は最近結婚した夫婦で、1日に韓国に新婚旅行に訪れ、明洞から弘大入口駅までタクシーに乗車した際、かばんを車内に置き忘れたことが分かった。2人は9時間後の飛行機で帰国しなければならない状況だった。新婦はアプリを通じ、「義母が新婚旅行のためにわざわざくれたかばんなのでどうか探し出してほしい」と哀願した。
しかし、夫婦はかばんを置き忘れたタクシーのナンバーを覚えていなかった。数分悩んだ警察官は「タクシー車内で撮った写真はないか」と尋ねた。すると、新婦は「韓国のタクシーに乗った記念にスマートフォンで撮った写真がある」と答えた。そこには助手席の前にあるタクシー運転手登録証がぼんやりと写っていた。それを拡大したところ、運転手名と所属タクシー会社が判明し、かばんを取り戻すことができた。
70万ウォン(約7万7000円)相当の現金とクレジットカードなどが入ったかばんを取り戻した新郎は、親指を立て、「韓国の警察は最高だ」と称えた。中国山東省で飲食店を営むという夫婦は、警察官に「中国に来たらうちの店に必ず来てくださいね」と言い残して立ち去ったという。