北の工作員と接触、旧統合進歩党員の実刑が確定

大法院、「国家の安全保障を危険にさらした」として二審判決を支持

 北朝鮮の対南(韓国)工作組織「225局」と接触し、韓国国内の情報を流した疑いなどで起訴された、民族舞踊団体「チュル」のチョン・シクリョル代表に対する実刑判決が確定した。

 大法院(日本の最高裁判所に相当)第2部(金昌錫〈キム・チャンソク〉裁判長)は6日、チョン被告に懲役5年、公民権停止5年を言い渡した控訴審の判決を支持する判決を言い渡した。

 大法院は判決理由について「北朝鮮の工作員らとの接触が、国家の安全保障や自由民主主義の基本秩序を危険にさらすということを知りながら、統合進歩党(解散)の党内情勢などに関する情報を提供した。反国家団体である北朝鮮政府の活動を賛美、宣伝するため、利敵表現物を所持していた点も認められる」と述べた。

 チョン被告は旧統合進歩党のソウル市永登浦区統合選対委員長を務めたほか、同党の前身である民主労働党でも代議員として活動していた。在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)所属の工作員に包摂(一般人を工作員や協力者に仕立て上げる)された後、北朝鮮の225局所属の工作員と接触し、2011年3月から韓国での活動の動向を報告したなどとして、昨年1月に逮捕・起訴された。一審は「チョン被告が国家の安全保障を危険にさらした点は認められるが、工作員と連絡を取ったというだけで直ちに重大な危険をもたらしたと断定することはできない」として、懲役4年、公民権停止4年の判決を下した。だが二審は、一審が無罪とした部分についても有罪とし、懲役5年の判決を言い渡していた。

崔燕真(チェ・ヨンジン)記者
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース