6日、韓国国会は本会議を開催し、公務員年金法改正案の採決を行う予定だった。ところが国民年金の所得代替率について、これを「(現役世代所得の)50%にまで引き上げる」とする条項を国会規則に入れる問題で与野党の主張が対立し、結局採決には至らなかった。この結果、今の臨時国会で公務員年金改正案を成立させるとした与野党合意はもちろん、国民年金受給額引き上げを目指す社会的機構を国会内に設置するとした与党セヌリ党の金武星(キム・ムソン)代表、野党・新政治民主連合の文在寅(ムン・ジェイン)代表による合意も実現に至らなかった。両代表の合意は当初から大きな批判にさらされていたが、政界関係者の間では「国民年金を人質に公務員年金の改悪を目指したが、結果的に反発に屈した」などの批判が相次いでいる。さらに与野党双方の執行部に対する責任論も今後浮上してきそうだ。
与野党は今回の年金改革をめぐる動きを通じ、「無能」「無責任」「無原則」のいわゆる「3無政治」という批判をあらためて受けている。与野党執行部は自分たちが合意した内容について所属議員を説得できないほど「無能」で、また財源をめぐる議論や国民の同意もないまま「国民年金の受給額を現役世代所得の50%」で合意する「無責任」さをあらわにし、さらに「将来世代の負担を軽くする」という大義名分で始まった公務員年金改革をめぐる議論に国民年金問題をからませることで、将来世代に対して逆に負担を押し付ける結果をもたらした。これも文字通り「無原則」としか言いようがない。