韓国食品大手のSPCグループが経営するベーカリーチェーン「パリバゲット」が米ニューヨークの主要商圏に直営店を相次ぎ出店し、都心部の攻略を加速させている。下半期に加盟店事業を開始するのに先立ち知名度を上げ、今後の出店拡大に向けた足掛かりを築く戦略だ。
SPCグループは6日、ニューヨーク・マンハッタンに先月27日、パリバゲットの米国42号店となる「パークアベニュー23番街店」(写真)をオープンしたと発表した。マンハッタンエリアでは、2013年10月にタイムズスクエア付近の40番街に初店舗をオープンして以来、6店舗目となる。面積301平方メートルのベーカリーカフェで、マンハッタンのビジネスエリアと高級住宅街が接する場所に位置している。
SPCグループは米国全域に店舗を広げている。東部では1年半の間にマンハッタンのミッドタウン、アッパー・ウエスト・サイドなど中心部に相次ぎ出店。西部でも、05年にロサンゼルスのコリアタウンに米国1号店を出店したのを皮切りに、ブエナパークなどカリフォルニア州の住宅街やパロアルトなどのシリコンバレーに店を出し、知名度を高めてきた。
シン・ウジン米州事業部専務は「マンハッタンの中心部に構える拠点店は、客が1日平均1000人を超えるほどの人気ぶりだ。『オー・ボン・パン』『パネラブレッド』『プレタ・マンジェ』など現地のブランドとの競合でよい成果を収めている」と語った。
SPCグループは現地ブランドの3倍に上る商品数と、韓国で多くのノウハウを蓄積したセルフ式のスタイルを武器に、米国での加盟店事業を拡大する考えだ。米国のベーカリーでは通常100種類ほどのパンを売っているが、パリバゲットは300種類以上を販売し、客から好評を博している。また、自分でパンを取るスタイルが個人の好みを尊重する米国の文化とマッチしていることも、人気の秘訣(ひけつ)に挙げられる。