軍事用R&D拡大に反対、日本の科学者1000人が署名運動

安倍政権、5年間で5500億円投資の研究プログラムに着手

 総合学術雑誌「ネイチャー」は、日本の科学者たちが、軍事用の研究開発(R&D)を拡大しようとする政府の方針に反発している、と7日付で報じた。

 論争の発端となったのは、安倍晋三首相が議長を務める「総合科学技術・イノベーション会議」が昨年着手した「革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)」だ。今後5年間、12の課題に5500億円を投資する大規模なプロジェクトで、企業や大学との共同研究で有名な米国の国防高等研究計画局(DARPA)をモデルにした、と日本政府は説明した。同プロジェクトに参加した政策研究大学院大学の角南篤研究員は、ネイチャーとのインタビューで「プロジェクトの主な目的は経済的なものだが、中国の浮上によって日本の安全保障環境が変化しているため、軍事的な応用の可能性にも期待している」と語った。

 日本の科学者たちは「ImPACTは、DARPAの軍民兼用の原則を模倣したものだ」と強く反発している。昨年、海洋研究開発機構の浜田盛久博士と琉球大学農学部の亀山統一助教が主導した、ImPACTに反対する署名運動には、これまでに1000人の科学者が賛同した。

 日本の科学界は第2次大戦後、「平和目的のR&D」の原則を守ってきた。この原則は1950年、科学界を代表する団体「日本学術会議」が「戦争に関連する研究は行わない」と発表して以来、現在に至るまで守られてきた。

 だが、ネイチャーは「安倍政権の発足以来、中国などの周辺国との緊張が高まる中、学界と軍隊(自衛隊)の関係も変化している」との見方を示した。とりわけ過去10年間、大学の研究費が減少の一途をたどる中、一部の科学者たちは軍民兼用の研究に対する研究費が出ることを歓迎しているというわけだ。このような中、防衛省は先月、3億円規模の基礎研究支援の予算を計上した。

李永完(イ・ヨンワン)記者
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