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エボラ回復後に目からウイルス検出、初の事例を米国で確認

AFP=時事 5月8日(金)20時4分配信

【AFP=時事】血液中からエボラウイルスが消えて数か月がたった患者の目の中から、ウイルスが初めて検出されたとの報告書が7日、米医学誌「ニューイングランド医学ジャーナル(New England Journal of Medicine)」で発表された。

エボラウイルスは精液の中で82日生存可能、WHO

 米国人医師のイアン・クロージャー(Ian Crozier)氏は、シエラレオネで世界保健機関(World Health Organization、WHO)の活動に従事していた2014年9月、エボラウイルスへの感染が確認された。その後、米国に送還され、ジョージア(Georgia)州アトランタ(Atlanta)にあるエモリー大学病院(Emory University Hospital)のエボラ特別病棟に入院した。

 報告書によると、クロージャー氏は、血液からエボラウイルスが検出されなくなったことを受けて、昨年10月に退院。だが2か月後、左目の血圧が極端に高くなり、炎症を起こした。目が腫れ、視力にも大きな障害が起きた。

 エモリー大学病院の眼科医のスティーブン・イエ(Steven Yeh)氏は、診察のために再び同病院を訪れたクロージャー氏の体液を採取し検査にかけたところ、エボラウイルスを含んでいることがわかった。一方、涙や目の周囲の細胞からはウイルスは検出されなかった。

 クロージャー氏が周囲にエボラウイルスを感染させる危険性はないとみられているが、イエ医師は今回の事例を受け、エボラ熱から回復した患者が目への感染を起こさないかどうか監視するべきだと提言した。目への感染がどの程度の期間続くかは、まだ分かっていない。

 目への感染は、視力の障害に加えて、虹彩の色を変化させた。青色だったクロージャー氏の瞳は、症状が初めて発覚してから10日後に、緑色に変化した。

 さまざまな治療薬を用いた結果、まだ完治はしていないもののクロージャー氏の視力は回復し始め、瞳の色は元に戻ったという。【翻訳編集】 AFPBB News

最終更新:5月9日(土)0時32分

AFP=時事

 

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