3月25日午後6時30分ごろ、ソウル地下鉄2号線江南駅の教大駅方面に向かうプラットホームを訪れた。会社を終えたサラリーマンでごった返す中、ある男を注意深く見詰めていたソウル地下鉄警察隊の警官シン・ドンフン氏が4メートルほど離れて立っていた警官のヨム・ジョンフン氏に目くばせと首の傾き具合でサインを送った。身長165センチに眼鏡を掛けたこの男は、約30分前に同駅で地下鉄に乗ったものの、再びここに戻ってきたのだ。1週間に1、2回、同駅でこうした行動を繰り返すというこの男は、身長170センチで長い髪の20代の女性の後に付いて地下鉄に乗った。2人の私服警官も素早く後を追って地下鉄に乗った。
江南駅からソウル大学入り口駅までの約20分間、男は女性の後にぴたりと付いて10センチ以上離れなかった。乗換駅の舍堂駅を過ぎた頃からは混雑していた車両がすいてきたにもかかわらず、男はこの女性から離れようとはしなかった。この男は時々鼻で大きく呼吸するだけで、ドアの柱に寄り掛かってスマートホンを触っていた女性は一切気付かない様子だった。2人の警官はこの男と1メートルほど離れて男の手足の動きを観察し、列車のつり革をつかむそぶりをして手の中のスマートホンでこの男の動きを撮影した。
結局この男はソウル大学入り口駅で降りるまで女性に手を出さなかった。シン氏は「ひたすら眺めるだけだったのを見ると、女性の髪の毛の匂いに興奮を覚える男である可能性が高い。ひとまず被害女性には反応がなく、決定的な証拠がないので検挙はできないが、あの男は再び江南駅に現れるに違いない」と話した。
女性たちの服装が軽くなる春の季節を迎え、女性の体の特定部分を狙った男たちの動きが増えてきている。特に空間が狭いため、身体の接触が避けられない地下鉄が春に女性を狙うセクハラ犯たちの温床と化している。