ソウル・江南の有名歯科の元院長が、数億ウォン(1億ウォン=約1100万円)を詐取したとして中堅企業代表から告訴された。この歯科は芸能人たちが両顎手術(上下の顎を切って顔の輪郭を変える手術)を受けたことで名を知られるようになった。
ソウル江南警察署は5日「新設クリニックに投資すれば元利金の返済に加え収益の一部を還元する」と持ちかけ、中堅企業の代表(57)から5億ウォン(現在のレートで約5500万円、以下同じ)を詐取した疑いで、歯科元院長のA氏(39)を捜査していると発表した。
告訴状によると、A氏は歯科院長を務めていた2013年12月「有名な美容整形の専門医を迎えて両顎手術と美容整形を主体とするクリニックを新設し、事業を拡張したい。資金を貸してくれれば元利金を返済した上で収益金の30%を還元する」と持ちかけ、同代表から1億5000万ウォン(約1700万円)を借りたが、収益金どころか元金さえ返済していないという。A氏は、実際には専門医ではなく一般の医師を雇用していたとのことだ。
同代表はまた、A氏から昨年2月「宣伝不足で収益が上がらない」と言われ、さらに3億5000万ウォン(約3900万円)を貸したが、やはり返済されていないと主張した。「A氏は昨年8月、投資を受けてから1年もたたずに新設のクリニックを閉院した」と訴えている。
A氏は昨年末まで、マスコミなどで自身を「○歯科代表院長」と紹介していたが、同歯科の事業者登録簿上の代表は頻繁に変わっていたとされる。