韓国IT企業、東南アジア進出ラッシュ

 現在韓国IT企業最大の生産基地はどこか。中国だと考える人が多いが、答えはベトナムだ。サムスン電子、LG電子は最近数年で携帯電話、生活家電、テレビなど主要製品の生産拠点を中国からベトナムに変更し、投資を強化している。

 電子企業だけではない。ネイバー、COM2USを始めとするインターネット、ゲーム、電子商取引企業もインドネシアを中心に東南アジア市場に積極進出している。これら企業が先を争って南下する理由は何か。

■南下する韓国IT企業

 中国が「世界の工場」であるならば、ベトナムは「韓国IT企業の工場」だ。サムスン電子はベトナム北部バクニン省イェンフォン工業団地、タイグエン省イェンビン工業団地で年間2億5000万台の携帯電話端末を生産している。昨年サムスン電子が販売した携帯電話4億500万台の61%を占める。戦略スマートフォンであるギャラクシーS6・S6エッジも大半がベトナムで生産されている。

  サムスンはまた、ベトナム南部ホーチミン市付近に「サイゴン・ハイテクパーク」を建設し、来年上半期までにテレビ、生活家電工場を進出させる。これにより、中国にある半導体と中国向け製品を除く大部分をベトナムで生産する体制が整う。サムスン電子は昨年まで中国法人に派遣していた経営支援担当社員を今年から大挙ベトナムに異動させている。サムスン電子関係者は「ベトナム事業の拡大に伴う措置だ」と説明した。

 LG電子も今年3月、ベトナム北部ハイフォンに韓国内外を通じて最大規模の生産基地となる「ハイフォン・キャンパス」を完成させた。ハイフォン・キャンパスはテレビ、携帯電話、洗濯機、エアコンなどLG電子が生産する全ての製品を手がけ、世界市場に販売している。LG電子は2028年までにハイフォンに15億ドル(約1800億円)を投資する方針だ。

 ベトナムよりも南にあるインドネシアは、韓国発ITサービスの前哨基地だ。ゲームがその代表と言える。韓国のゲーム会社、ゼペットが開発したファーストパーソン・シューティングゲーム(FPS、主人公の視点に立ち武器で戦うゲーム)の「ポイント・ブランク」はインドネシアの国民的ゲームと呼ばれるほどの人気を集めている。現在同ゲームの累計ユーザー数は1億人を超えた。COM2USのモバイルゲーム「サモナーズ・ウォー」もインドネシアのゲーム部門売り上げ2位に食い込む成功を収めた。

カン・ドンチョル記者
前のページ 1 | 2 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連ニュース