C 8201-5-5:2008(IEC 60947-5-5:2005)
(1)
目 次
ページ
序文
1
1 適用範囲
1
2 引用規格
2
3 用語及び定義
2
4 表示及び製品情報
4
4.1 一般的要求事項
4
4.2 ボタンの表示
4
4.3 トリップワイヤスイッチ追加要求事項
4
4.4 カラーコード追加要求事項
4
5 電気的要求事項
4
5.1 使用負荷種別
4
5.2 直接開路動作
4
5.3 保護等級
5
5.4 電気的特性試験
5
6 機械的要求事項
5
6.1 一般的要求事項
5
6.2 ラッチング
5
6.3 ボタン式非常停止機器追加要求事項
5
6.4 トリップワイヤスイッチ追加要求事項
5
6.5 足踏みスイッチ追加要求事項
6
7 試験
6
7.1 一般的要求事項
6
7.2 一般検査
6
7.3 動作試験
6
7.4 前処理手順
7
7.5 衝撃試験
7
7.6 振動試験
8
7.7 ラッチング,リセット及び衝撃試験
8
7.8 その他の試験
10
C 8201-5-5:2008(IEC 60947-5-5:2005)
(2)
まえがき
この規格は,工業標準化法第 12 条第 1 項の規定に基づき,社団法人日本電気制御機器工業会(NECA)及
び財団法人日本規格協会(JSA)から,工業標準原案を具して日本工業規格を制定すべきとの申出があり,日
本工業標準調査会の審議を経て,経済産業大臣が制定した日本工業規格である。
この規格は,著作権法で保護対象となっている著作物である。
この規格の一部が,特許権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に
抵触する可能性があることに注意を喚起する。経済産業大臣及び日本工業標準調査会は,このような特許
権,出願公開後の特許出願,実用新案権又は出願公開後の実用新案登録出願に係る確認について,責任は
もたない。
JIS C 8201 の規格群には,次に示す部編成がある。
JIS
C
8201-1 第 1 部:通則
JIS
C
8201-2-1 第 2-1 部:回路遮断器(配線用遮断器及びその他の遮断器)
JIS
C
8201-2-2 第 2-2 部:漏電遮断器
JIS
C
8201-3 第 3 部:開閉器,断路器,断路用開閉器及びヒューズ組みユニット
JIS
C
8201-4-1 第 4 部:接触器及びモータスタータ−第 1 節:電気機械式接触器及びモータスタータ
JIS
C
8201-5-1 第 5 部:制御回路機器及び開閉素子−第 1 節:電気機械式制御回路機器
JIS
C
8201-5-2 第 5 部:制御回路機器及び開閉素子−第 2 節:近接スイッチ
JIS
C
8201-5-5 第 5 部:制御回路機器及び開閉素子−第 5 節:機械的ラッチング機能をもつ電気的非
常停止機器
JIS
C
8201-5-101 第 5 部:制御回路機器及び開閉素子−第 101 節:接触器形リレー及びスタータの補
助接点
日本工業規格
JIS
C
8201-5-5
:2008
(IEC 60947-5-5
:2005
)
低圧開閉装置及び制御装置−
第 5 部:制御回路機器及び開閉素子−
第 5 節:機械的ラッチング機能をもつ
電気的非常停止機器
Low-voltage switchgear and controlgear−
Part 5-5: Control circuit devices and switching elements−
Electrical emergency stop device with mechanical latching function
序文
この規格は,2005 年に第 1.1 版として発行された IEC 60947-5-5 を基に,技術的内容及び対応国際規格
の構成を変更することなく作成した日本工業規格である。
1
適用範囲
この規格は,機械的ラッチング機能をもつ非常停止機器の,電気的・機械的構造及びその試験方法につ
いて規定する。
この規格は,非常停止信号を最初に与える電気的制御回路装置及び開閉素子に適用する。
機械的ラッチング機能をもつ非常停止機器は,それ自身にエンクロージャ[きょう(筐)体]が備わっ
ているか,ない場合は製造業者の指示によって取り付けてもよい。
この規格は,次のものには適用しない。
− 例えば,水圧式,空圧式などのような,非電気的制御回路用の非常停止機器。
− 機械的ラッチング機能をもたない非常停止機器。
非常停止機器は,非常スイッチオフ機能を供するために用いてもよい。
注記 1 この規格は,機械的ラッチング機能をもつ非常停止機器の,電気的・機械的構造及びその試
験方法について規定するものであるが,この規格単独では,適合性評価を行うことは意図し
ていない。
注記 2 この規格の対応国際規格及びその対応の程度を表す記号を,次に示す。
IEC 60947-5-5:2005,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 5-5: Control circuit devices and
switching elements−Electrical emergency stop device with mechanical latching function (IDT)
なお,対応の程度を表す記号(IDT)は,ISO/IEC Guide 21 に基づき,一致していることを示
す。
2
C 8201-5-5:2008(IEC 60947-5-5:2005)
2
引用規格
次に掲げる規格は,この規格に引用されることによって,この規格の規定の一部を構成する。これらの
引用規格のうちで,西暦年を付記してあるものは,記載の年の版を適用し,その後の改正版(追補を含む。
)
は適用しない。西暦年の付記がない引用規格は,その最新版(追補を含む。
)を適用する。
JIS B 9703:2000 機械類の安全性−非常停止−設計原則
注記 対応国際規格:ISO 13850:1996,Safety of machinery−Emergency stop−Principles for design
(IDT)
JIS C 8201-1:2007 低圧開閉装置及び制御装置−第 1 部:通則
注記 対応国際規格:IEC 60947-1:2004,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 1: General rules
(MOD)
JIS C 8201-5-1:2007 低圧開閉装置及び制御装置−第 5 部:制御回路機器及び開閉素子−第 1 節:電
気機械式制御回路機器
注記 対応国際規格:IEC 60947-5-1:2003,Low-voltage switchgear and controlgear−Part 5-1: Control
circuit devices and switching elements−Electromechanical control circuit devices (IDT)
JIS C 60721-3-3:1997 環境条件の分類 環境パラメータとその厳しさのグループ別分類 屋内固定
使用の条件
注記 対応国際規格:IEC 60721-3-3:1994,Classification of environmental conditions−Part 3:
Classification of groups of environmental parameters and their severities−Section 3: Stationary use
at weather protected locations,Amendment 1:1995 及び Amendment 2:1996 (IDT)
JIS C 60068-2-1 環境試験方法−電気・電子−低温(耐寒性)試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-1,Environmental testing−Part 2-1: Tests−Test A: Cold (IDT)
JIS C 60068-2-2 環境試験方法−電気・電子−高温(耐熱性)試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-2,Environmental testing−Part 2-2: Tests−Test B: Dry heat (IDT)
JIS C 60068-2-6 環境試験方法−電気・電子−正弦波振動試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-6,Environmental testing−Part 2-6: Tests−Test Fc: Vibration
(sinusoidal) (IDT)
JIS C 60068-2-11 環境試験方法(電気・電子)塩水噴霧試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-11,Basic environmental testing procedures−Part 2-11: Tests−Test
Ka: Salt mist (IDT)
JIS C 60068-2-27:1995 環境試験方法−電気・電子−衝撃試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-27:1987,Basic environmental testing procedures−Part 2-27: Tests−
Test Ea and guidance : Shock (IDT)
JIS C 60068-2-30 環境試験方法(電気・電子)温湿度サイクル(12+12 時間サイクル)試験方法
注記 対応国際規格:IEC 60068-2-30, Environmental testing−Part 2-30: Tests−Test Db: Damp heat,
cyclic (12 h+12 h cycle) (IDT)
IEC 60050 (441), International Electrotechnical Vocabulary−Chapter 441: Switchgear, controlgear and fuses
(Online Database IEV 441)
3
用語及び定義
この規格で用いる主な用語及び定義は,JIS C 8201-1 及び JIS C 8201-5-1 によるほか,次による。
3
C 8201-5-5:2008(IEC 60947-5-5:2005)
3.1
非常停止(機能又は信号) [emergency stop (function or signal)]
次のことを目的とした機能。
− 人への危険及び機械装置又は工程中の仕掛品への損傷を,回避するか又は減らす。
− 人間の単一の動作によって始動する(JIS B 9703 の 3.1 参照)
。
3.2
非常停止機器 (emergency stop device)
非常停止機能を引き起こすために使用する,手動で操作する制御回路機器(JIS B 9703 の 3.2 参照)
。
注記 非常停止機器は,補助機能(例えば,冗長性を備えるための機能及び/又は付加した接点素子
を通した信号のための機能)を備えてもよい。このような付加した接点素子は,開路接点及び
/又は閉路接点のいずれでもよい。
3.3
動作システム(非常停止機器の)[actuating system (of an emergency stop device)]
駆動力を接点素子に伝える機械的部分(IEV 441-15-21 参照)
。
3.4
アクチュエータ(非常停止機器の)[actuator (of an emergency stop device)]
人体の一部によって(非常停止機器を)駆動する動作システムの部分(IEV 441-15-22 参照)
。
注記 アクチュエータの例としては,ボタン,ワイヤ,ロープ,棒,足踏みペタルなどがある。
3.5
静止位置 (rest position)
非常停止機器が駆動されていないときの,非常停止機器又はその一部分の位置。
注記 静止位置において,機械(又は装置)が動作することもある。
3.6
動作位置 (actuated position)
非常停止機器が駆動した後の,非常停止機器又はその一部分の位置。
注記 非常停止機器の動作位置では,機械(又は装置)は停止状態にある。
3.7
ラッチング(非常停止機器の)[latching (of an emergency stop device)]
動作システムが別の手動操作によってリセットされるまで,動作システムを動作位置に合わせ,かつ,
保持する機能又は手段。
3.8
リセット(非常停止機器の)[resetting (of an emergency stop device)]
非常停止機器の動作システムを,動作位置から静止位置に戻すための手動操作。
注記 リセットの例は,キー又はアクチュエータの回転,アクチュエータを引くこと,特殊な解除ボ
タンを押すことなどがある。
3.9
直接開路動作(強制開離動作)(接点素子の)[direct opening action (positive opening action) (of a contact
element)]
操作部の一定の動きによって,非弾性構造材を経由して接点が開離する機能(JIS C 8201-5-1 の K.2.2
参照)
。
4
C 8201-5-5:2008(IEC 60947-5-5:2005)
3.10
トリップワイヤスイッチ (trip wire switch)
ローププルスイッチ,プルコードスイッチ,又はアクチュエータがロープ,ワイヤなどからなる非常停
止機器。
4
表示及び製品情報
4.1
一般的要求事項
据付け,動作,保守及び/又は定期試験実施のための情報は,機械的ラッチング機能をもつ非常停止機
器(以下,
“非常停止機器”という。
)又はそれに関連して必要なときに提供しなければならない。
箇条 4 の検証は,7.2.1 に従って実施しなければならない。
注記 1 ある特定の環境においては,次の方法で追加情報を提供してもよい。
− ラベル
− ワイヤ又はロープに付けた,視認性を高めるためのマーカーフラッグ
− 図記号 60417-IEC-5638(JIS B 9706-1 の
表 6 参照)
注記 2 同時に,JIS B 9960-1 の 9.2.5.4 参照。
4.2
ボタンの表示
4.2.1
非常停止機器のアクチュエータとして使用するボタンは,赤色でなければならない。アクチュエー
タに背景がある場合,実行可能であれば背景は黄色でなければならない。
4.2.2
リセットをボタンの回転によって行う場合,リセットの方向は,明りょう(瞭)に識別できなけれ
ばならない。
注記 IEC 60073 及び JIS Z 9101 を参照。
4.3
トリップワイヤスイッチ追加要求事項
製造業者が提供する資料は,次の情報を含まなければならない。
− ワイヤ又はロープの最大長さ
− ワイヤ又はロープの正しい張力
− サポート間の距離
− ワイヤ又はロープを真っすぐでだけ使用するための勧告
− 滑車及びひも通し穴の保全に関する手引き,又はワイヤ及びロープが適切な位置に留まることを確実
にするために必要な寸法(該当する場合)
4.4
カラーコード追加要求事項
解除ボタンは,例えばトリップワイヤスイッチとともに使用する場合は,青色でなければならない。
カラーコードを,トリップワイヤスイッチのセッティングのために用いる場合,次の表示とする。
− 緑色は静止位置の正しいセッティングを表す。
− 黄色は動作位置の正しいセッティングを表す。
5
電気的要求事項
5.1
使用負荷種別
使用負荷種別は,AC-15,DC-13 及び DC-14 とする(JIS C 8201-5-1 参照)
。
5.2
直接開路動作
非常停止機器のすべての閉路接点素子は, 直接開路動作(強制開離動作)の機能をもたなければならな
5
C 8201-5-5:2008(IEC 60947-5-5:2005)
い(JIS C 8201-5-1 の
附属書 K 参照)。
試験は,JIS C 8201-5-1 の
附属書 K に従って実施する。
5.3
保護等級
非常停止機器の保護等級は,JIS C 8201-1 の
附属書 C に従い,製造業者が指定する。
5.4
電気的特性試験
電気的特性試験は,JIS C 8201-5-1 に従って実施する。
なお,JIS C 8201-5-1 の 7.2.7 は,断路(アイソレーション)に適する制御スイッチだけに適用する。
6
機械的要求事項
6.1
一般的要求事項
6.1.1
非常停止機器は,その意図した取付位置に確実に据付けできる手段を備えなければならない。
試験は,7.2.1 に従って実施する。
6.1.2
非常停止機器は,7.3,7.4,7.5,7.6 及び該当する場合は,7.7.5 の要求事項を満足しなければなら
ない。
6.1.3
非常停止機器は,すべての標準使用条件の下で,操作及びリセットできなければならない。
試験は,7.2∼7.7.4 に従って実施する。
6.1.4
振動又は衝撃によって,閉路位置の接点が開いたり,開路位置の接点が閉じたり,又はラッチング
機構が動作したりしてはならない。
試験は,7.5 及び 7.6 に従って実施する。
6.2
ラッチング
6.2.1
非常停止機器が動作を開始し,非常停止信号を出力したら,非常停止機能は,アクチュエータのラ
ッチング機構によって保持しなければならない。非常停止信号は,非常停止機器をリセットするまで保持
しなければならない。非常停止機器は,非常停止信号を発生することなしにラッチしてはならない(JIS B
9703 の 4.4.4 参照)。
非常停止機器(ラッチング機構を含む。
)が故障の場合,非常停止信号の発生は機械的ラッチング機能よ
りも優先しなければならない。
試験は,7.2,7.7.2 及び 7.7.3 に従って実施する。
6.2.2
非常停止機器を,7.4 において指定する条件,又は製造業者が指定する条件のどちらか,より厳し
い条件下で使用したとき,ラッチング機構が正しく動作しなければならない。
試験は,7.3,7.4,7.5,7.6 及び 7.7 に従って実施する。
6.3
ボタン式非常停止機器追加要求事項
6.3.1
ラッチング機構のリセット手段は,キーを回すか,指定した方向にボタンを回転するか,又は引く
ことによる。
試験は,7.2.1 及び 7.2.2.1 に従って実施する。
6.3.2
非常停止機器のアクチュエータの取外しは,エンクロージャ[きょう(筐)体]の内部から行うか,
又はエンクロージャ[きょう(筐)体]の外側から専用工具を用いて行うように設計しなければならない。
これは,検査によって検証する。
6.4
トリップワイヤスイッチ追加要求事項
6.4.1
非常停止機器の構造は,次による。
− ワイヤ又はロープのセッティング及びその後の調整は,障害を起こすことなくできる。
6
C 8201-5-5:2008(IEC 60947-5-5:2005)
− 非常停止機器の据付けは,JIS B 9703 の 4.5.1 及び 4.5.2 の要件を満たす。
試験は,7.2 及び 7.3 に従って実施する。
6.4.2
アクチュエータを取扱説明書によって据え付けるとき,次の要件に適合しなくてはならない。
− 非常停止信号(接点を開路)を発生するために必要なワイヤ又はロープに加わる垂直方向の引張力は
200 N 以下。
− ワイヤ又はロープは,非常停止信号を発生するために必要な垂直方向の引張力の 10 倍の張力に耐え
る。
− 非常停止信号を発生させるために必要なワイヤ又はロープの垂直方向の変位は,400 mm 以下。
− ワイヤ又はロープが破損又は外れたときには,非常停止信号を発生する。
引張力は,ワイヤ又はロープの長さの中央点に加える。
試験は,7.8.1 に従って実施する。
6.4.3
ワイヤ又はロープの長さの変化(例えば,温度,経年変化など)を考慮しなければならない。
試験は,7.2.1 に従って実施する。
6.5
足踏みスイッチ追加要求事項
ペダル(足踏みスイッチ)式非常停止機器は,カバーをもってはならない。
試験は,7.2.1 に従って実施する。
7
試験
7.1
一般的要求事項
形式試験は,箇条 4,箇条 5 及び箇条 6 の要件を満足することを検証するために,JIS C 8201-1 の 8.1.1
及び 8.1.2 に従って行う。
非常停止機器は,主接点及び補助接点双方の組合せでもよい。7.5 及び 7.6 の試験は,これらの接点すべ
てが機械的衝撃によって誤動作しないことを検証するために行う。
目視検査又は非常停止機器に係る規格に記載した試験は,一つの供試品で行う。
7.3.3,7.4,7.5,7.6 及び 7.7 の試験は,非常停止機器の三つの同一形式供試品で行う。供試品は,この
箇条に記載する順序で連続して試験に合格しなければならない。
非常停止機器の複数の形式を,同じ基本設計で製造する場合,同シリーズ内の三つを超える形式の製品
試験を行うのであれば,同一形式の試験は 3 個未満でもよい。この容認事項は十分に文書化しなければな
らない。
7.2
一般検査
7.2.1
4.1,6.1.1 及び 6.4.1 並びに該当する場合は 6.3,6.4.3 及び 6.5 の要件は,非常停止機器の機械的構
造を検査することで検証する。
7.2.2
ボタン式非常停止機器
7.2.2.1
6.3.1 の要件は,アクチュエータをラッチしたり,手動でリセットすることによって点検する。
7.2.2.2
6.3.2 の要件は,アクチュエータを固定する部品の検査並びに当機器のボタン及び他の部品を手で
引いたり,回したりすることによって検証する。
7.3
動作試験
7.3.1
一般的要求事項
動作試験の目的は,ラッチング部品(ばね,ボール,ピンなど)の標準使用における耐久性を検証する
ことにある。
7
C 8201-5-5:2008(IEC 60947-5-5:2005)
試験は,6.1.2,6.2.2 及び 6.3 の要件を検証する。
この条項に記載する動作試験は,電気的特性試験(5.4 参照)とともに行う。
7.3.2
ボタン形アクチュエータの丈夫さ
ボタン形アクチュエータは,次の力及びトルクに耐えなければならない。
− 垂直 3 軸方向に加える,
表 1 に規定する力
− ボタンの回転でリセット動作するものは,ラッチする位置及びラッチしない位置の各々で両方向に加
える,
表 1 に規定するトルク
表 1−ボタン形アクチュエータの丈夫さ
取付穴径
mm
力
N
トルク
N・m
φ16 80 1.6
φ22 110 2.2
φ30 150 3.0
7.3.3
耐久性試験
三つの供試品(7.1 参照)で,次の試験を行う。
供試品のアクチュエータは,可動範囲をすべて動かし,次にできるだけ人間の動作に近いやり方でリセ
ットする。
試験は,6 050 サイクルからなり,1 サイクル中にアクチュエータのラッチ及びリセットを行う。動作及
び操作力は,試験中は変化してはならない。一定を保つため,これらの条件を監視する。
耐久性試験は,各供試品が故障なく 6 050 サイクルを完了すれば,合格とする。
7.4
前処理手順
次の手順の目的は,非常停止機器を様々な環境条件にさらし,その後の機能を検証することにある。
7.3.3 の試験で合格した三つの供試品を,次の条件にさらす。
− 乾燥大気中に+70 ℃で 96 時間(JIS C 60068-2-2 及び JIS C 60721-3-3 の
表 1 の分類 3K7 を参照)
− 湿度及び温度を変化させた大気中で 96 時間(JIS C 60068-2-30 及び JIS C 60721-3-3 の
表 1 の分類 3K7
を参照)
:+25 ℃/+55 ℃ 97 %/93 %RH
− −40 ℃で 96 時間(JIS C 60068-2-1 : 試験 Aa 及び JIS C 60721-3-3 の
表 1 の分類 3K7 を参照)
− 5 %の塩化ナトリウム(NaCl)水溶液中に,+35 ℃で 96 時間(JIS C 60068-2-11 及び JIS C 60721-3-3
の
表 4 の分類 3C3 を参照)
上記環境条件にさらし,室温に戻した後,7.5,7.6 及び 7.7 の試験を,連続して実施する。
7.5
衝撃試験
7.5.1 7.4 に従って前処理した三つの供試品は,それぞれ垂直 3 軸の 1 軸に振り分けて試験する。
7.5.2
各供試品は,静止位置で試験を行い,対応する軸の両方向において 150 m/s
2
の衝撃に耐えなければ
ならない[JIS C 60068-2-27 の
表 2(150 m/s
2
,11 ms)を参照]
。
試験中,閉路接点は開路,開路接点(ある場合)は閉路してはならない。ラッチング機構はラッチして
はならない。
検証手段は,接点の 0.2 ms を超えるいかなる開路又は閉路をも検出しなければならない。
7.5.3
次に動作位置(アクチュエータをラッチした位置)で試験する。
試験中,開路接点は閉路,閉路接点(ある場合)は開路してはならない。ラッチング機構はラッチが外
8
C 8201-5-5:2008(IEC 60947-5-5:2005)
れてはならない。
7.6
振動試験
7.6.1
三つの供試品は,垂直 3 軸のうち,7.5 で振り分けた同一の軸で試験する。
7.6.2
各供試品は,静止位置において次の条件によって試験する(JIS C 60068-2-6 参照)
。
− 周波数範囲
:10 Hz ∼ 500 Hz,対数傾斜で掃引
− 継続期間 2 時間
:10 掃引サイクル,1 オクターブ/分
− 最大ピーク振幅
:0.35 mm(ピークからピーク:0.7 mm)
− 最大加速度
:50 m/s
2
− クロスオーバ周波数は,58 Hz と 62 Hz との間
試験中,閉路接点は開路,開路接点(ある場合)は閉路してはならない。ラッチング機構はラッチして
はならない。
検証手段は,接点の 0.2 ms を超えるいかなる開路又は閉路をも検出しなければならない。
7.6.3
次に動作位置(アクチュエータがラッチされた位置)で試験する。
試験中,開路接点は閉路,閉路接点(ある場合)は開路してはならない。ラッチング機構はラッチが外
れてはならない。
7.7
ラッチング,リセット及び衝撃試験
7.7.1
一般的要求事項
7.6 の試験に合格した三つの供試品は,次の試験に使用する。
6.2.1 の要求事項は,各供試品を 7.7.2,7.7.3 及び 7.7.4 に従って試験をすることによって検証する。供試
品がボタン形アクチュエータの場合は,7.7.5 の試験も実施する。
7.7.2
開路試験
供試品のアクチュエータを,ゆっくりとラッチ位置まで動かし,閉路接点が,その後開路することを確
認する。閉路接点の開路の検証は,2 500 V でのインパルス耐電圧試験によって行う(JIS C 8201-5-1 の
K.8.3.4.4.1 における詳細を参照)。
7.7.3
ラッチング試験
供試品及びそのアクチュエータのラッチング試験の構成を,
図 1 に示す。人間の動作に似せた振子形ハ
ンマーを用い,ボタン形スイッチに打撃を加える。
9
C 8201-5-5:2008(IEC 60947-5-5:2005)
注記 1.6 kg の質量には,アルミニウム管の質量を含まない。
図 1−試験用ハンマー
非常停止取付穴(JIS C 8201-5-1
表 2 参照)とハンマーの高さ(h)との関係を,表 2 に示す。
表 2−非常停止取付穴とハンマーの高さとの関係
単位 mm
取付穴径
ハンマーの高さ(h)
φ16
60(ボタン径がφ30 未満の場合)
75(ボタン径がφ30 以上の場合)
φ22 75
φ30 75
アクチュエータは,各打撃前にラッチを外しておく。
ハンマーは,静止状態から放つ。
ハンマーを確実に静止状態から放つために,磁気又は他の保持メカニズムを使用するのが望ましい。
この試験は,3 回実施する。
各打撃後,動作システムはラッチしなければならない。
他のタイプは,検討中。
7.7.4
リセット試験
a) 引張りでリセットする場合,引張力は 50 N 以下とする。
b) アクチュエータを回すことでリセットする場合,トルク値は 1 N・m 以下とする。
c) 他のタイプは,検討中。
7.7.5
ボタン形アクチュエータに対する衝撃試験
該当する場合には,6.1.2 及び 6.1.3 を検証するため,三つの供試品を用い,
図 1 における h を 310 mm±
2 mm として,ハンマーでアクチュエータを 3 回打撃することによって試験する。
アクチュエータは,各打撃前にラッチを外しておく。
10
C 8201-5-5:2008(IEC 60947-5-5:2005)
各打撃後,各供試品はラッチしなければならない。また,閉路接点は開路しなければならない。
3 回の打撃後,アクチュエータは損傷してはならない。
3 回目の打撃後,開路した閉路接点は,JIS C 8201-5-1 の K.8.3.6 を満足しなければならない。
7.8
その他の試験
7.8.1
ワイヤ又はロープの外れ
該当する場合には 6.4.2 を検証するため,製造業者の取扱説明書に従い,一つの非常停止機器にワイヤ又
はロープを取り付ける。
ロープを外す。
主接点は開路し,動作システムは動作位置でラッチしなければならない。
7.8.2
異物の影響
特別な試験を検討中。
参考文献 JIS B 9706-1:2001 機械類の安全性−表示,マーキング及び作動−第 1 部:視覚,聴覚及び触
覚シグナルの要求事項
注記 対応国際規格:IEC 61310-1:1995,Safety of machinery−Indication, marking and actuation
−Part 1: Requirements for visual, auditory and tactile signals (IDT)
JIS B 9960-1:1999 機械類の安全性−機械の電気装置−第 1 部:一般要求事項
注記 対応国際規格:IEC 60204-1:1997,Safety of machinery−Electrical equipment of machines
−Part 1: General requirements (MOD)
JIS Z 9101 安全色及び安全標識−産業環境及び案内用安全標識のデザイン通則
注記 対応国際規格:ISO 3864-1,Graphical symbols−Safety colours and safety signs−Part 1:
Design principles for safety signs in workplaces and public areas (IDT)
IEC 60073:2002,Basic and safety principles for man-machine interface, marking and identification−
Coding principles for indications and actuators