今回はバイエルンミュンヘンでのペップ・グアルディオラ監督の複数のステーションを用いたトレーニングを紹介しよう。選手は3つのグループに分かれ、2つのタイプのメニュー(ステーション)に取り組む。
1つ目は相手がいない状況で試合に即した動きからのドリブルからシュートという流れ。そして2つ目のステーション(中央)はシンプルでよく目にするタイプの3vs2のトレーニングだ。見た目にはそれぞれの課題を達成していく(パフォーマンス)のは難しいことではないように思うかもしれない。ただ、そこはやはりグアルディオラ監督のアレンジによって、体力的、精神的な要求が戦術的なレベルの高さにしっかりとあわされている。ステーション内のローテーションやステーション間の移動にも速さを要求され、どの選手も20秒以上自分の番を待つことがないようにオーガナイズされている。このトレーニングは負荷が高く、多様性があり、テンポが速い。こういったキーワードは全てグアルディオラ監督のトレーニングに共通するテーマである。
この練習メニューは20分間ほど行われ、下の公式動画の42分以降から実際に見ることが出来る。トレーニングのオーガナイズは以下の図の通り。全てのアクションはピッチのファイナルサードで行われ、ゴールは3つ使用している。選手は3グループに分かれ、左右のエリアではそれぞれ同じメニューが対称に行われている。図の中でサーバーは黒のトップを来た選手で示した。
両サイドエリアでのトレーニング内容
ハードルの後ろで短時間のレジスタンストレーニングからスタート、コーチの合図でハードルを越えていくダイナミックエクササイズに切り替え、スピードを上げながら1つ目の人型ポール前でサーバーからボールを受け、早いドリブルでポールをかわしていく。そして、ゴール前の人型ポール前でフェイントをかけて半ヤードほどのスペースを作りシュート。シュートの後は、中央のステーション、ゴール後方のポジションへ移動する。
中央エリアのトレーニング内容
外のエリアでのシュートの後、選手は中央のステーションに移動しゴール横からスタートするディフェンダーとなる。対して相手選手3名が中央ゴールの前で準備している。
守備の選手のうちの1人がボールを攻撃側選手へ送ると同時に、両守備選手がピッチへと入り3対2の局面ができる。この最初のパスはどちらかのサイド選手へ出され、攻撃側中央の選手はボールを受けている選手をオーバーラップかアンダーラップしスペースをつくらなくてはならない。
機動性とスピードが攻撃選手の共通テーマだ。
中央エリアでのローテーション
中央エリアのメニューでは攻撃側のシュートが打たれた後、守備の2選手はマーカーへ移動しアタッカーとなる。一方、攻撃を終えた選手はコーン1までジョグ、スピードを上げながらコーン1を通過しコーン2へダッシュ、そしてそれぞれ近いほうの両サイドのステーションに合流する。
公開されている動画を見るだけではグアルディオラ監督のコーチングポイントや声かけの内容は明確には把握できないものの、トレーニングのテーマはとてもクリアに伝わってくるだろう。全ての攻撃の際にはスピードと質にこだわり、さらに中央の選手には状況判断や決断力も要求される。そして、攻撃の選手全員が順番に中央エリアでディフェンスとしてプレーすることで守備的な役割を注意深く植えつけようとしている。トレーニングメニュー自体が監督の求めるものを選手達に明確に示しているといえるだろう。
(了)
Tags: グアルディオラ 練習アイデア
By: Admin
Posted: 2015年05月08日 11:58