川原千夏子、川田俊男
2015年5月8日11時32分
原子力規制委員会の有識者会合は8日、関西電力美浜原発(福井県)の敷地内にある断層について、活断層ではない可能性が高いとする報告書案をまとめた。関電は3月、3号機の再稼働に向け、新規制基準に基づく審査を申請している。規制委は今後、審査を本格化させる方針で、有識者らの結論は「重要な知見」として扱われる。
有識者会合は、原子炉建屋の直下を含む複数の断層が、1キロ東にある活断層「白木―丹生断層」の活動に伴って動く可能性があるかどうかなどを調べた。報告書案は、3号機の原子炉建屋を横切る断層を観察した結果、活動時期は活断層の判断基準とする年代より古いと判断。ほかの断層も含め、活断層ではないとする関電の主張を認めた。今後、別の専門家による検証を経て規制委に報告する。
原発の運転期間は原則40年で、美浜原発3号機は運転開始から38年がたつ。関電はより古い1、2号機を廃炉にする一方で、3号機の運転延長を目指している。来年11月までに新基準による審査に通らないと延長は認められない。
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