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 ベテラン工員の手さばきや知識を、新人にそのまま「移植」して即戦力にする――。工場などでそんな取り組みが広がっている。実現のカギになったのは、ウェアラブル端末だ。

 群馬県大泉町にあるパナソニックの冷蔵ショーケース生産ライン。組み立て作業をする女性たちが顔に着けた片眼鏡のような端末から、音声が流れる。

 「ビスをクリップ留めして下さい」「アース線をつなげて下さい」

 端末を着けてみると半透明のモニターに作業の「お手本」が映る。耳元のイヤホンから聞こえるのは作業の手順だ。作業の目標時間と実際にかかっている時間も表示される。昨年10月に採り入れたシステムだ。

 お手本はベテラン従業員の頭部に小型のビデオカメラを取り付けて撮ったものだ。この生産ラインでは、複雑な工程を新人に覚えさせるのに苦労していた。端末を導入したら、初心者でも作業スピードが2割上がったという。

 パナソニックの小南泰三・製造力強化センター所長は「初めての人でも即戦力になる。人の入れ替わりが激しい海外も含め、グループの工場全体に広げていきたい」と話す。