Sony


(2004年03月16日 初稿)

<正しい人物評価>

昨日、久しぶりに日経ビジネス Associeの過去ログを読んでみました。アソシエ2004.02.17 号。

勿論、言うまでもなく「本家」の「日経ビジネス」の方が内容が濃いですし、私も20歳の頃から読んでいるので慣れてはいますが、少しライトテイストなものを、と思いとりはじめたのがきっかけ。パラパラっとめくっていると、「蟹瀬誠一」氏の「蟹瀬誠一のニュースの裏を読む(31)」に遭遇。

タイトルは「移り気なマスコミの人物評、これでは人は育たない」....ごもっとも。ソニーの出井伸之会長兼最高経営責任者(CEO)が米経済誌「ビジネスウィーク」に「ワースト経営者」の一人として選ばれた事も引用し、「かつて出井氏を世界の最優秀経営者の一人に選んだのはほかならぬビジネスウィークである」と。






米国の詩人オグデン・ナッシュの引用が妙に楽しい。「人生を風のように吹き抜ける2種類の人間がいる。噂を触れまわる人と噂される人」と。確かに、私の周囲にも「噂を触れまわる人」がいたりするし(相当な「こまったちゃん」だったりする)、まあしっかりした人物鑑定眼があるかというとやや(否、相当!)疑問 .... 流されまくった若き日を思い出して苦笑。真の「悪」は、例え時間がかかるとしても、何も言わずして後で明らかにされるもの...早急に結論を出すべからず...「これは悪だ」と早急に断ずる態度は、「害あって益無し」。

ソニーの出井伸之会長兼最高経営責任者(CEO)に対する評価は、確かに最近株式市場に「ソニーショック」(四半期ベースで1000億円超の赤字を発表した事に端を発する株価の乱高下)を与えた事で相当さがっており、一部「彼は社内でも嫌われ者だ」的論調ありましたが、この場合寧ろ「嫌われ者流の経営術(こうあって欲しいと逆の事を言う、の法則)」の実践に期待をするのが筋と言うもの。大体、アメリカがコケタってだけで、「アメリカ流」を標榜した出井氏をたたく姿勢はどうかな、と ... まあ、アメリカが自分の「愚」を表現するのに自国や自国の会社を非難できないため、もっとも米国式を標榜した有名人ちゃん(セレブリティ++?)である「ソニー」を標的にした、という推断が妥当でしょう。・・深読みしなくてもこのくらいの結論は「すぐに」出そうです。こうなると、出井氏の人物像がどうとか嫌われ者がどうこうも関係無く、ただ単に「アメリカにバブリーに踊らされた」という事実のみが残るわけですネ。

「無闇に褒め、そして叩くだけでは芸、思想、人は育たない....」 ... なるほど、納得。ちょっぴり蟹瀬誠一氏に惚れたかも。(笑 ... これも無闇矢鱈な [褒め] に相当するかナ? ^^;)

ズバッと「伝わる」技術
蟹瀬誠一
フォレスト出版
2014-08-29






(以下: 2015年5月7日追記)

個人的には、ソニーの問題点は、
「ソニーは損に通じる」
と言う俗説にあると思っています。

実は、2005年頃に渋谷区に住んでいた際、ドン・キホーテで、かなりの数のソニー製品を買いました。7個かな。そして、3年後、壊れずに残っていたのは、プレイステーション3ただひとつでした。

SONY(旧・東京通信工業株式会社)と言う社名は、元々
SOUND AND SYMPHONY
から来ています。
この名前の前には、SONNYだったようですが、「”損にぃ”通じる」ネーミングに見えるという事で、Nを一つ取ってSONYになったという経緯があるのだそうです。

私は、正直言えば、「ソニーを買って損」したなとかなり思っていますので、ソニー製品は其の後一切購入していません。TOYOTAの自動車は何十年ももつのに、ソニーはもたない。これでは買う気は起きません、流石に。確率論「以前の」問題でしょう、7個のうち1個しかもPS3というのは。因みに、私は東芝も一切買いません。まあ、私の個人ウェブサイトには良く来てくれてたんですけどね、日本のメーカーさん。 http://tetsuya.in/2015/01/02/653/

ハードよりソフト、或は部品の部分に、もっと注力すべきでは無いでしょうか。例えば、ソフトは、瑕疵があまり問われない分野。インテグリティを求められる分野を頑張ろうとして失敗するより、失敗を前提にしたラインアップ設計が出来る分野で輝いた方が、ユーザにとっても企業(ソニー)にとっても、得ではないか、とすら思います。m(__)m 失敗を恐れる必要はありません、ただ、失敗を恐れるべき分野で頑張る意味もありません。







とは言え、ソニーの底力はまだまだ健在です。2014年に世界で発売されたカメラのうち、40%近くはソニー製の「イメージセンサー」を使っていると言う記事もあります。 http://www.gizmodo.jp/2015/05/201440.html (ギズモードジャパン)。ソニーは、プロダクトとして「垂直統合」等すると結構エラーを起こしますが、部品メーカーに特化すれば結構このように素晴らしい技術を出せると考えております。「iPhoneが売れるたびに20ドル(約2,400円)」と言うのはナイスなビジネスだと個人的に思いますが、如何でしょうか?




著者:

北畠徹也(英語:Tetsuya Kitahata 露語:Тэцуя Китахата)は、1974年生まれ。1993年東京大学教養学部理科2類入学、1999年同大学法学部私法コース卒業。北海道生まれのアントレプレナー。現在:株式会社テラ・インターナショナル代表取締役。ICIT(Information, Communication and Integration Technology)コンサルタント。タイ王国バンコク都在住。

電子メール:  kitahata@gmail.com
ブログ: Tetsuya Kitahata Patchy Blog
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