【動画】サロベツ湿原の瞳沼で浮島が動く様子=岡田操さん提供
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 利尻礼文サロベツ国立公園の一角に広がるサロベツ湿原(豊富町、幌延町)。その奥にある「瞳沼」で、重さ2千トンもの浮島が水平方向だけでなく垂直にも動く様子を、湿原研究者が連続画像と水位計のデータで明らかにした。

 瞳沼は同湿原中央部の低地にあり、立ち入り禁止だ。湿原研究者で札幌市の開発コンサルタント会社役員の岡田操さん(65)は長年、同公園を管理する環境省などと協力して瞳沼の調査研究を続けてきた。岡田さんは、湿原研究の泰斗である故・辻井達一さんとの共著もある。「瞳沼」の名付け親も岡田さんだ。

 岡田さんによると、瞳沼は長円形で面積は約7千平方メートル、水深約2メートル。沼には厚さ約1メートル、広さ約2千平方メートル、重さ約2千トンの泥炭でできた島が浮かび、風に吹かれて水面を漂っている。湿原開発に伴う水路開削などで水位が変化し、浮き上がった泥炭層が1970年前後に切り離されて浮島になったのではないかという。