ギリシャ政府はユーロの現金が枯渇
ギリシャ情勢が緊迫している。5月5日には「ギリシャが抱える債務の相当部分を欧州諸国が帳消しにしない限り、国際通貨基金(IMF)は支援を打ち切る」というフィナンシャル・タイムズの報道をきっかけに、ギリシャの国債価格が急落した。
欧州連合(EU)の欧州委員会が同日、発表した四半期経済見通しでは、2015年のギリシャの成長率は3カ月前の年率2.5%増から0.5%増へ大幅に下方修正された。経済は崖から転落状態である一方、債務返済期限はこれから五月雨式にやってくる。
6日の支払い期限はなんとかクリアしたものの、12日にはIMFに対して7億5000万ユーロの支払いを控えている。すでにユーロの現金が枯渇している政府は、地方自治体や公的機関に対して手持ちのユーロを中央銀行に移すよう求めているが、大学では反対運動も起きた。
債務削減交渉は難航する一方、国民の間には急進左派連合のツィプラス政権に対する失望感も広がっている。ギリシャはどうなるのか。
ギリシャの債務問題は、単に経済・財政だけの事情で語れない。ツィプラス党首は1月の総選挙前から再三、ロシアを訪問してプーチン大統領と会談してきた。ロシアも支援する構えをちらつかせている。
ギリシャは「いざとなったら欧州を見限って、ロシアと友好関係を強めるぞ」と瀬戸際作戦で欧州を脅しているのだ。
背景には、ギリシャの地政学的位置がある。地図を見れば分かる通り、西側には欧州が広がり、東側はトルコ、黒海の北側にはロシアを控えている。ギリシャはトルコと並んで、東西の結節点になっている。
旧ソ連と米国が冷戦を始めた1946年から49年にかけてギリシャは内戦を戦い、最終的に共産主義勢力が敗北すると、当時のトルーマン米大統領は「自由主義陣営の勝利」と宣言した。しかし、その後も続いた冷戦下でギリシャは東西対立の影を色濃く引きずってきた。
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