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油井亀美也さん 最終試験に合格 初の宇宙へ5月8日 5時56分
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国際宇宙ステーションに長期滞在することになっている日本人宇宙飛行士の油井亀美也さんがロシアの訓練施設で行われた最終試験に合格し、今月下旬、ロシアの宇宙船「ソユーズ」に乗り組んで宇宙に向かうことになりました。
油井さんは今月下旬から国際宇宙ステーションに長期滞在することになっていて、ロシアの宇宙船「ソユーズ」の操作方法を学ぶため、同僚の2人の飛行士と共にモスクワ郊外で訓練を受けています。
その訓練の最終試験が7日に行われ、油井さんは集まった報道陣に「準備は整っています」と述べたあと「ソユーズ」の模型に乗り組み、船内の火災など緊急事態への対処能力を試されました。
ロシア宇宙庁によりますと、油井さんら3人の飛行士はいずれも最終試験に合格し、今月27日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる「ソユーズ」で国際宇宙ステーションに向かうということです。
ただ、打ち上げの日程を巡っては、先月下旬、ロシアの別の無人宇宙船の打ち上げが失敗した影響で延期になるのではとの臆測も出ています。
これについてロシア宇宙庁は地元メディアに対し、「事故調査の結果がまとまる今月13日以降に判断する」と述べ、今のところ打ち上げは予定どおりだとの立場を示しています。
その訓練の最終試験が7日に行われ、油井さんは集まった報道陣に「準備は整っています」と述べたあと「ソユーズ」の模型に乗り組み、船内の火災など緊急事態への対処能力を試されました。
ロシア宇宙庁によりますと、油井さんら3人の飛行士はいずれも最終試験に合格し、今月27日にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられる「ソユーズ」で国際宇宙ステーションに向かうということです。
ただ、打ち上げの日程を巡っては、先月下旬、ロシアの別の無人宇宙船の打ち上げが失敗した影響で延期になるのではとの臆測も出ています。
これについてロシア宇宙庁は地元メディアに対し、「事故調査の結果がまとまる今月13日以降に判断する」と述べ、今のところ打ち上げは予定どおりだとの立場を示しています。
自衛隊パイロットから宇宙飛行士に
油井さんは長野県川上村出身の45歳。防衛大学校を卒業後、平成4年に航空自衛隊に入隊し、パイロットとしてF15戦闘機の編隊長や、高度な技術が必要とされるテストパイロットを務めました。
そして、6年前に国内で10年ぶりに行われた宇宙飛行士の選抜試験で、およそ1000人の応募者の中から選ばれました。
その2か月後には、JAXA=宇宙航空研究開発機構に入っておよそ2年間、NASA=アメリカ航空宇宙局などで訓練を受け、4年前に宇宙飛行士に認定されました。その後、宇宙飛行士どうしの会話に不可欠なロシア語の習熟のほか、国際宇宙ステーションでの長期滞在に向けたさまざまな訓練に参加しました。
3年前、アメリカ・フロリダ州で受けた訓練では、海底20メートルに設置された施設で生活し、閉鎖された空間に慣れるとともに、チームワークを養いました。
また、去年1月にはアメリカやロシアで、宇宙での船外活動を想定した訓練を行ったほか、ソユーズ宇宙船について火災など緊急事態への対処や手動での操縦方法などをシミュレーターを使って学びました。
ことしに入ってから油井さんはJAXAの筑波宇宙センターで訓練を受けたあと、アメリカ、ロシア、ドイツで打ち上げに向けた準備を進めてきました。
そして、6年前に国内で10年ぶりに行われた宇宙飛行士の選抜試験で、およそ1000人の応募者の中から選ばれました。
その2か月後には、JAXA=宇宙航空研究開発機構に入っておよそ2年間、NASA=アメリカ航空宇宙局などで訓練を受け、4年前に宇宙飛行士に認定されました。その後、宇宙飛行士どうしの会話に不可欠なロシア語の習熟のほか、国際宇宙ステーションでの長期滞在に向けたさまざまな訓練に参加しました。
3年前、アメリカ・フロリダ州で受けた訓練では、海底20メートルに設置された施設で生活し、閉鎖された空間に慣れるとともに、チームワークを養いました。
また、去年1月にはアメリカやロシアで、宇宙での船外活動を想定した訓練を行ったほか、ソユーズ宇宙船について火災など緊急事態への対処や手動での操縦方法などをシミュレーターを使って学びました。
ことしに入ってから油井さんはJAXAの筑波宇宙センターで訓練を受けたあと、アメリカ、ロシア、ドイツで打ち上げに向けた準備を進めてきました。
国際宇宙ステーションでの作業は
油井亀美也さんは国際宇宙ステーションにおよそ半年間滞在し、無重力の環境での科学実験を行うほか、物資の輸送船をロボットアームで結合させる作業などを担当する予定です。
油井さんの滞在中、宇宙ステーションには、JAXAが開発した小動物の飼育装置が運び込まれる予定です。
日本の実験棟「きぼう」に設置されるこの装置は、マウス1匹を30日間にわたって飼育や観察することができ、遠心力を使って人工的に重力を作り出すこともできます。
ビデオカメラによって地上でも観察ができ、重力のない環境が生物に与える影響を調べます。油井さんはこの装置の機能の確認を行う予定です。
また、油井さんは、宇宙空間に大量にありながら正体がよく分かっていない「暗黒物質」の発見を目指す「CALET」という観測装置を「きぼう」の船外に設置して観測を始めます。「暗黒物質」は宇宙のあらゆる場所に存在すると考えられていますが、直接見ることも感じることもできない未知の物質で、宇宙がどのようにしてできたかを解く重要な鍵とされているため、世界中の研究者がこぞって発見を目指しています。
このほか、油井さんは、1辺が10センチ程度の超小型衛星の放出や、宇宙ステーションに到着する物資を補給するための輸送船を、ロボットアームを使って結合させる予定です。
日本の宇宙輸送船「こうのとり」の5号機も今年度、打ち上げられる予定で、地上側の管制を宇宙飛行士の若田光一さんが行うことから、日本人どうしの直接交信が実現する可能性もあります。
油井さんの滞在中、宇宙ステーションには、JAXAが開発した小動物の飼育装置が運び込まれる予定です。
日本の実験棟「きぼう」に設置されるこの装置は、マウス1匹を30日間にわたって飼育や観察することができ、遠心力を使って人工的に重力を作り出すこともできます。
ビデオカメラによって地上でも観察ができ、重力のない環境が生物に与える影響を調べます。油井さんはこの装置の機能の確認を行う予定です。
また、油井さんは、宇宙空間に大量にありながら正体がよく分かっていない「暗黒物質」の発見を目指す「CALET」という観測装置を「きぼう」の船外に設置して観測を始めます。「暗黒物質」は宇宙のあらゆる場所に存在すると考えられていますが、直接見ることも感じることもできない未知の物質で、宇宙がどのようにしてできたかを解く重要な鍵とされているため、世界中の研究者がこぞって発見を目指しています。
このほか、油井さんは、1辺が10センチ程度の超小型衛星の放出や、宇宙ステーションに到着する物資を補給するための輸送船を、ロボットアームを使って結合させる予定です。
日本の宇宙輸送船「こうのとり」の5号機も今年度、打ち上げられる予定で、地上側の管制を宇宙飛行士の若田光一さんが行うことから、日本人どうしの直接交信が実現する可能性もあります。