新幹線の本数は、なぜ週の後半に増えるのか

運行ダイヤでわかる日本人の行動

昨年50周年を迎えた東海道新幹線。JR東海はどんな基準でダイヤを設定しているのか(撮影:尾形文繁)

東海道新幹線は、首都圏、中京圏、京阪神圏という三大都市圏を貫く大動脈であるだけに輸送の規模は想像を絶する。営業キロ1キロメートル当たりの利用者数を示す「旅客輸送密度」は23万人に達し、首都圏有数の通勤路線である東京地下鉄丸ノ内線の20万人すら上回る。

当然のことながら、これだけの数の利用者が移動できるよう、列車の本数も多い。2015年3月14日に実施された時刻改正で、東海道新幹線には下り145本・上り144本、合わせて289本の列車が毎日行き交う。

「のぞみ」の本数でダイヤが複雑に

実は、東海道新幹線の大きな特徴は、列車の運転時刻を定めたダイヤが日々異なっているという点にある。

通常、大都市圏の通勤路線では、平日と土曜、休日の3パターン、または平日と土・休日の2パターンのダイヤを設定しているケースが大多数を占める。一方、東海道新幹線の場合、ダイヤは基本的には平日、土曜、休日の3パターンが設定されているという。だが、これらに加え、曜日や月初、月末、いわゆる「五・十日」、さらには年末年始、ゴールデンウィーク、旧盆時期のピーク輸送時といった要素を加味し、その日ごとに必要な列車を必要な時間帯に増発する措置を取っているため、ダイヤは連日異なっている。

これほどまでに複雑なダイヤは、在来線や私鉄各線には存在せず、ほかではJR東日本の東北新幹線で見られる程度だ。しかし、東北新幹線といえども、列車の本数や変動の規模からいって東海道新幹線ほどではない。

ダイヤが日々異なる理由は、東海道新幹線を最短の所要時間で結ぶ「のぞみ」の本数が変動しているからだ。「のぞみ」は毎日運転されているものと、運転日を定めたものとの2種類が存在する。

後者の一例を紹介しよう。東京駅を朝6時47分に出発する新大阪駅行きの「のぞみ295号」は、2015年3月14日から同年6月30日までの109日間中、49日間運転されている。

次ページ日によって、新幹線の本数は大きく異なる
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