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【国際情勢分析】
言論自由の英国で浮上した“言論の不自由問題” 元政府委員の告発 「人種議論のタブー化が問題を深刻にした」
しかし、英国の学者やジャーナリストたちからは、同氏が「自らに都合がいいように、人種に関係した“真実”の一部だけをつまみ食いしている」「議論すれば逆に、人種間や宗教間の摩擦や対立を生み出しかねず危険だ」などとして、批判の集中砲火が浴びせかけられている。
米国に本部を置く国際的な人権擁護団体「フリーダム・ハウス」によると、英国は毎年、政治的な権利や市民社会の自由度などから判断した総合的な“自由度”ランキングで最上位を占めている。
フィリップス氏が告発する英国の言論“不自由”問題は、どのように決着するのか-。まだその論争の行方は不透明だ。(ロンドン 内藤泰朗)