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【国際情勢分析】言論自由の英国で浮上した“言論の不自由問題” 元政府委員の告発 「人種議論のタブー化が問題を深刻にした」

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【国際情勢分析】
言論自由の英国で浮上した“言論の不自由問題” 元政府委員の告発 「人種議論のタブー化が問題を深刻にした」

欧米でタブーとなっている人種などの言論“不自由”問題について口を押さえてみせるトレバー・フィリップス英ブレア労働党政権の元平等人権委員会委員長(?Richard Ansett)

 世界で最も言論の自由があるとされる英国で、言論“不自由”の問題が浮上している。英政府の平等人権委員会委員長を務めていたトレバー・フィリップス氏(61)が「人種問題の議論を封印していた」と告白したためだ。反移民勢力の伸長やイスラム過激派の問題の根が、そこにあるという。同氏は「英国をひどく傷つけた」とわびたが、今度は“危険人物”として逆に批判されている。

 フィリップス氏は、20年以上にわたり放送ジャーナリストとして活躍した後、ブレア労働党政権の「ニュー・レイバー(新しい労働党)」政策で目玉の一つだった人種の平等問題を2003年から12年まで担当した。ブレア政権は、多民族・多文化国家への転換を図り、04年から移民の受け入れを自由化した。

 問題となったのは、3月16日付のデーリー・メール紙に掲載された「私たちが話すことを許されない人種についての爆発的な真実」と題する同氏の寄稿だ。他紙やテレビなどでも報じられたことから大きな論争となっている。

 同氏によると、政権は、多文化主義を推し進めるため、人種問題にかかわる一切の議論をタブーにした。「人種問題を口にするだけで『レイシスト(差別主義者)』のレッテルが貼られるため、多くの人たちが恐ろしくてホンネを話せなくなってしまった」。

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