コラム:脱グローバル化が投資家に与える「試練」
James Saft
[5日 ロイター] - 世界はより大きくなりつつあるが、現在の過程は金融市場や投資家にとって喜ばしいとは言えないかもしれない。
7日の英総選挙から、ギリシャ支援問題や環太平洋連携協定(TPP)まで、市場が注視する数々のイベントは、その根底に脱グローバル化という共通項がある。
こうした動きは、世界中で資本やモノやサービスの自由な移動を可能にし、長い間続いてきたグローバル化の流れに逆行している。脱グローバル化を促すさまざまな力は2008年の金融危機以降に現れた。各国政府は銀行への支配強化を求め、先進国の政治家や組合などはグローバル化によって中間層の雇用と所得が脅かされると主張した。
グローバル化がやり玉に挙げられている証拠を見つけるのは簡単だ。
7日に行われる英総選挙は、英国の欧州連合(EU)離脱とスコットランドの独立という2つのリスクをはらんでいる。単独過半数を獲得する政党はないとみられる同選挙だが、キャメロン首相は自身の保守党が勝利した場合、EU残留か離脱かを問う国民投票を2017年末までに行うと表明している。一方、スコットランド民族党(SNP)が急速に票を伸ばせばキャスティングボードを握る可能性が高まり、英国からの独立の是非を問う投票が再び行われる可能性も浮上しかねない。
英金融大手HSBCは、金融危機以降に導入された「規制・構造改革」を受け、国外への本社移転の可能性について検討。同行はまた、英国がEUに残留するかどうかについても懸念を表明している。最も厳しい銀行規制を含む英国のこうした改革は、EU離脱の可能性とともに脱グローバル化の一形態を示している。
また、ギリシャの債務をめぐるユーロ圏の債権団との対立は結局のところ、グローバル化の力を一部利用しようとした通貨統合の限界をもたらすことになるかもしれない。 続く...