北京=斎藤徳彦
2015年5月7日20時43分
中国政府が、消費者に人気の高い日用品の輸入関税を下げるなど、海外の商品を買いやすくする施策を導入する見通しだ。日本で中国人旅行客による「爆買い」として話題になった消費パワーを、景気の減速する国内に引き戻したい考えだ。
李克強(リーコーチアン)首相が4月28日、国務院(内閣にあたる)常務会議で指示した。会議では、「国内の消費者の選択を広げるため」として、海外の日用品の輸入関税について6月末までに一部の品目で引き下げ、その後も範囲を広げていくとした。ぜいたく消費を抑えるため、一部商品で高く設定されてきた消費税も引き下げる方針だ。中国紙は、税率の引き下げ対象となりそうな商品として、粉ミルクや化粧品、衣服などを挙げた。
化粧品の場合、中国では消費税だけで30%が課され、人気ブランドの輸入品は日本国内の1・5倍以上の価格になることが多い。海外への旅行者が旅先で大量購入する習慣が広まったが、国内企業の業績や税収に結びつかない消費が急増することには批判の声も強い。香港では、中国本土からの旅行客が粉ミルクを買い占めることへの反対運動まで起きている。
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