しっとりやわらかくて、美味しい鶏ハム! 安価な鶏胸肉がごちそうに大変身すると、話題沸騰中の料理です。
でもいざ作ってみると、なんだかパサパサ。全然しっとりじゃない! ということで本日は、パサパサしない美味しい「鶏ハム」の作り方を科学的にご紹介したいと思います。
鶏胸肉で簡単にできる! しっとり美味しい「鶏ハム」を作るための科学
《材料 1人分》
- 鶏むね肉 2枚(400g)
- 塩 4g
- 砂糖 4g
科学1:塩分濃度は1%!? そして砂糖を使用する理由とは
人間の体内の塩分濃度は0.8~0.9%に保たれているそうです。つまりここで塩の量は1%というのは、人間が本能的に美味しいと感じる塩分濃度の目安としているからです。そして、砂糖を使用することで、保水効果につながり旨味を逃がさない役割を果たしてくれるのです。
《作り方》
1. 鶏むね肉の皮は剥ぐ。後で巻きやすいように長さを揃えて切り、観音開きにしてフォークで数ヶ所穴を空ける。ボールなどに入れ、塩と砂糖を手でもみ込んで馴染ませたら、密封袋へ。空気を完全に抜き、密封した状態で24時間冷蔵庫で寝かせる。
科学2:熟成時間は24時間
調味料を揉み込んだ鶏胸肉を、24時間ほどを目安として冷蔵庫で寝かせることで、中まで熟成が進み、しっとりと柔らかくなります。24時間目安の熟成の過程で、肉のたんぱく質の変化により水分や臭味が抜け、旨みやしっとり感、保存効果が増します。
2. 大きめの鍋に水を入れて火にかけ、70℃~75℃を保つ。1.をラップでキャンディー状に巻き付けて両端を輪ゴムでしばり、お湯の中に入れて30分間茹でたら取り出し、粗熱が取れたら冷蔵庫で完全に冷めるまで(約2時間)冷やし固める。
科学3:しっとり温度 茹で温度は70℃~75℃
食感がしっとりな鶏ハムにするには温度は最も重要です。温度が高すぎる(沸騰させてしまう)とパサパサになるし、低すぎると中まで火が通らない(食中毒予防の観点からも避けましょう)ので、じっくりと70℃~75℃を保ちましょう。温度計を持っていない方は沸騰したお湯の中に入れ蓋をしてお湯が冷めるまで茹でてあげると近い効果が生まれます。
3. 冷えて固まった2.を食べたい分だけ切り分ける。
科学まとめ
- 塩分濃度は1%
- 熟成時間は24時間を目安に
- 茹で温度は70℃~75℃でじっくりと
他にもハーブを揉み込んだり岩塩を使うやり方もありますが今回の基本的なやり方をしっかり覚えて挑戦すればしっとりと美味しい鶏ハムができます! 少し時間はかかりますが自家製ってみんなにも自慢できますよね! さっそく挑戦してみてはいかがでしょうか。
明治11年創業の老舗ホテル、箱根富士屋ホテルでフレンチの修行を積み退社後、ドラマ、映画、舞台などで俳優活動をしながら調理師免許、
フードコーディネーター認定書を取得。様々な媒体、フードイベントで活動しているwebコラムでも話題の次世代料理男子。
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(編集:フードクリエイティブファクトリー http://foodcreativefactory.com/)