823年ぶりとは、月めくりカレンダーにおける奇跡の瞬間である。
概要
2015年2月1日、Twitterでとあるツイートが投稿され、話題を呼んだ。
【速報】このようにちょうど日曜日から土曜日まですっぽりとハマってる月は今月が実に823年ぶり http://twitter.com/tyTX8/status/561739320994697217/photo/1
同月は1日が日曜日、28日が土曜日であるため、日の並びがきれいな長方形になっており、しかもこれは823年ぶりの出来事・・・という内容であった。
真相
もう大多数の読者は察していると思うが、“823年ぶり”というのはもちろんデマである。
1年が365日なので、365÷7=52…1であるから、閏日を考慮しなくても単純に7年に1度は来るだろうし、そもそも823年前に日本ではグレゴリオ暦が使用されていないどころか、同暦は400年で1周するように作られている。
しかも823年前(ユリウス暦)の1192年2月1日は土曜日な上、閏年であるというオチまで付いている。
たった6年前の2009年も全く同じ曜日であり、前後50年ずつを見ても1953年,1959年,1970年,1981年,1987年,1998年,2009年,2015年,2026年,2037年,2043年と結構何度もある。
「823年」のソース
ではこの「823年ぶり」という数値、一体どこから来たのか?ツイート者は「親から聞いた」とのことであった。
日本の暦の中で、最も長期間にわたって使用された「宣明暦」の使用年数がちょうど823年であり、数字としてはこれが由来と思われるが、デマとしての元となったネタが数年前に出回っていた。
遡ること4年半、2010年10月に以下のようなチェーンメールが出回っており、数名のブロガーがデマであると注意していたことがあった。
2010年10月は5回の金曜日 5回の土曜日 5回の日曜日 がすべて1ヶ月の中にあります。これは823年ぶりの事だといいます。8名の良い(大切な)人にこの内容を教えてあげると4日のうちにお金が入ってくるそうです。
中国の風水を基礎に出た内容で、伝えないと無くなってしまうそうです。豊かにならないといけない(なってほしい)あなたに送りますから、豊かになってください。
同様のデマは2011年7月(こちらは824年ぶりとしている場合も)にも出回っており、デマとしての元ネタはこれでほぼ間違いないだろう。
ちなみに、『レイトン教授シリーズ』の監修としておなじみの心理学者・多湖輝氏は、自身の著書で「嘘のゴサンパチ」という造語を用いて、適当に数字を挙げようとすると5,3,8を多用する、と説いている。
要するに
Twitterなどの情報ツールは、誤情報も容易に流れる。発信する側に問題が無い訳ではないが、まずは受信する側が全ての情報を鵜呑みにしないように努めるべきである。
今回の件は、ツイート主にデマを広める意図はなく、寧ろ“騙された側”であり、信じ込んだ側が何か損をするほど悪質なものでは無かったが、今後いつそのようなデマが流布するか分からないため注意して頂きたい。
最後に、「823」の語呂合わせに因み、某アニメのオープニングテーマの歌詞を借りて、この言葉を読者に贈りたい。
それは まぎれもなく デマさ
関連項目
外部サイト
- 【速報】今年の2月は823年ぶりに......!!→1998年みてみましょう - Togetter
- 金土日が5回ある10月は823年後? - UPSETTERS備忘録
- 金土日が5回!823年ぶりのメールについて・・|ブログコンサルタント倉田俊相の「0→1」実現ブログ
【スポンサーリンク】
|
http://dic.nicomoba.jp/k/a/823%E5%B9%B4%E3%81%B6%E3%82%8A
読み:ハッピャクニジュウサンネンブリ
初版作成日: 15/02/01 20:40 ◆ 最終更新日: 15/03/01 19:25
編集内容についての説明/コメント: 未使用項目削除
記事編集 / 編集履歴を閲覧