米国だけではない。カナダからはエリック・カズディン氏(トロント大教授)、英国からはルシア・ドルセ氏(ロンドン大准教授)、ドイツからはラインハルト・ツェルナー氏(ボン大教授)、スイスからはマーティン・デューゼンベリ氏(チューリヒ大教授)、オーストリアからはセップ・リンハルト氏(ウィーン大名誉教授)、オーストラリアからはガミン・マコーマック(オーストラリア国立大名誉教授)、シンガポールからはプラセンジット・ドアラ氏(シンガポール国立大教授)、日本からはリチャード・タガート・マーフィー氏(筑波大教授)が加わった。欧州、オーストラリア、アジアそして日本の大学で日本やアジアを専攻する教授らは世界的に賛同した格好だ。
有名教授187人による声明は訪米を成功裏に終えたと自負している安倍首相に対する一撃となる見通しだ。
学者らは「私たちの多くにとって、日本は研究の対象であるのみならず、第二の故郷でもある」と日本への愛情を示す一方、安倍首相が周辺国との和解を目指す絶好の機会だった米上下院合同会議での演説で歴史問題を無視したことを受け、国家レベルの慰安婦強制動員、搾取などに対する検証は終わったとの点を明確にし、責任を取ることを求めた。
学者らは「『慰安婦』の正確な数について、歴史家の意見は分かれているが、恐らく永久に正確な数字が確定されることはないだろう。しかし、最終的に何万人であろうと何十万人であろうと、いかなる数にその判断が落ち着こうとも、日本帝国とその戦場となった地域において、女性たちがその尊厳を奪われたという歴史の事実を変えることはできない」と指摘した。
声明を主導したアレクシス・ダデン氏(コネチカット大教授)は「英語と日本語による声明を首相官邸に直接送った。安倍首相が読み、胸に刻んでほしい」と述べた。
安倍首相は第2次世界大戦70周年を迎える8月15日に発表する談話で、歴史問題には言及しないともようだが、国際社会の強い批判は一定の影響を与えるとみられる。