韓国から世界の投資マネーが逃げ出している。今年1〜3月の外国人直接投資額が3割近く減少、国別でも日本が6割減、欧州が8割減、そして韓国が頼みの綱とする中国も8割減というショッキングな数字だ。

 韓国の産業通商資源部によると、直接投資額は申告ベースで前年同期比29・8%減となった。製造業が約84%減と壊滅的で、サービス業が約16%増えたが、カバーできなかった。2010年1〜3月期以降、投資額は着実に増加してきたのが、今年になって腰折れした形だ。

 韓国メディアは、昨年1〜3月期に、サムスン電子と米ガラス大手コーニングの合弁会社、サムスンコーニング精密素材の株をコーニング側が買収した反動だと報じている。このM&A(合併・買収)が欧州経由で実施されたため、今期の欧州からの投資額が約85%減となったとしている。

 ただ、問題はそれだけではない。米国からの投資こそ約52%増えたものの、日本からの投資額は約61%も減っているのだ。朴槿恵(パク・クネ)政権は強硬な反日姿勢を続けており、日本からの投資が消極的になるのも自業自得というしかないが、韓国の最大の貿易相手国で、外交でも依存度を強める中国も「韓国離れ」が際立っているから事態は深刻だ。

 今年1〜3月の中国から韓国への投資額は約5300万ドル(約63億円)で、前年同期の約2億2700万ドル(約271億円)と比べて約77%の大幅減に見舞われた。

 特に韓国の不動産に対する中国からの投資減が著しい。昨年1〜3月期に約1億5100万ドル(約180億円)、4〜6月期に約4億9500万ドル(約591億円)まで増えていたのが、7〜9月期に約1億4200万ドル(約170億円)、10〜12月期には約4600万ドル(約55億円)、今年1〜3月期はとうとう約600万ドル(約7億2000万円)にまで減ってしまった。

 週刊東洋経済元編集長の勝又壽良氏は「中国から韓国への投資だけでなく、韓国の対中輸出も減少し始めた。韓国経済は万策尽きた感がある」と指摘した。