長崎潤一郎
2015年5月7日23時04分
九州電力は7日、再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度(FIT)に基づく電力の買い取りをめぐり、鹿児島県の種子島の太陽光発電事業者に対して送電を止めるよう要請したと発表した。太陽光など再生エネの発電設備が増えて島内の電力需要を上回る恐れがあるためとしている。FITで電力を買い取っている大手電力会社が、発電事業者に送電停止を求めたのは全国で初めて。
九電によると、500キロワット以上の発電設備をもつ島内の事業者8社のうち1社に対して4日に出力制御を指示し、5日午前9時から午後4時まで発電を停止させた。種子島は九州本土と送電網で結ばれておらず、好天で太陽光の発電量が増えて電力の需給バランスが崩れると、停電が起きる可能性があるという。
FITをめぐっては、電力の買い取り条件を厳しくした新ルールが1月に施行されたが、今回は補償なしで年間30日まで出力抑制を求められる旧ルールに基づいて九電が停止を求めた。今後も天候や需要予測をもとに、8社に順番に送電を止めてもらう計画だ。事業者はその分、売電収入が減ることになる。
九電は先月28日、天候次第で種子島の発電事業者に送電停止を求める、と発表していた。他の離島でも太陽光発電設備の建設が増えており、送電停止の対象地域が広がる可能性がある。(長崎潤一郎)
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