陰謀、裏切り、逆転、突然の死…。もしかしたら韓流ドラマと韓国の政界は互いを「師」としているのではないでしょうか?
不謹慎かもしれませんが、朴槿恵政権に最近持ち上がった金銭スキャンダルを見ていると、ついそんなことを考えてしまいます。
韓国検察が、李明博前政権の資源開発疑惑にメスを入れようと捜査を始めたところ、横領の容疑をかけられていた中堅財閥・京南企業の会長が自殺しました。会長は自殺の直前にさまざまなことをぶちまけました。
「クリーン」を売り物にする朴大統領の側近らに多額の資金を援助し、選挙戦を助けたこと。同郷(忠清道)の潘基文国連事務総長を次期韓国大統領にする希望をもっていたこと。(ちなみに、潘氏の弟はつい最近まで京南関連企業の顧問を務めていました)
前政権に放ったはずの鉄槌がブーメランとなって現政権に戻ってきた形ですが、この捜査を主導したのが、会長や潘氏と同郷の李完九首相(このスキャンダルを受けて辞任)であり、その目的は「地域の盟主」の地位を得るべく、次期大統領の呼び声高い潘氏を追い落とすことだったとされています。
国際社会の先頭で頑張っている(はずな)のに、韓国内政のスキャンダルの余波を受けてお気の毒というしかありません。しかし、潘氏の次の言葉を聞くと、「ええっ! 本当ですか」と思わず突っ込みを入れたくなってしまいます。
「私は国内政治には関心がない」
例をあげましょう。リビアで先月12日、韓国大使館が襲撃されたとき、事務総長は直ちに非難声明を出しました。翌日にリビアのモロッコ大使館がテロ事件に見舞われたときは、その日のうちに何のアクションもありませんでした。