▲ドヤ顔で疾走する編集部員福嶌くん。もちろん、法定速度内です ▲ドヤ顔で疾走する編集部員福嶌くん。もちろん、法定速度内です

カートで一般道を走れる理由とは?

バラエティ番組のタレント対決などでよく見るカートのレースだが、実際に乗車したことがあるという人は多くないだろう。本格的なカートに乗ろうと思うと、主に郊外にある専用のサーキットまで足を伸ばす必要があり、ハードルが高いというのも理由のひとつだ。

しかし、東京のど真ん中、秋葉原でカートの運転が出来るところがあるという。秋葉原にサーキットなんかあったっけ?と思っていると、なんと公道を走れるのだとか。それが、カートレンタルのお店「アキバカート」だ。

▲アキバカートで使用している車種は「メカニカ」という会社が販売する「X-Kart 50」。同社では約40万円から個人への販売も行っている ▲アキバカートで使用している車種は「メカニカ」という会社が販売する「X-Kart 50」。同社では約40万円から個人への販売も行っている

店長の小山氏によると、「使用しているカートは、道路交通法ではミニカーに区分されます」とのこと。確かに、バンパー、ウインカー、ミラーなども装備されている。

「排気量は50ccですが、一般道の最高法定速度である60km/hで走れるし、二段階右折の必要もありません」と語る小山氏。乗ってみたけど、正直、怖いなと思っていたら、そのオーラを察したのか、背中を押してくれる一言を発してくれた。

「場所柄、コスプレイヤー女子もよく乗りますが、レクチャーを受けて公道を5分程度走れば、すぐに慣れていますよ」

なんでも渋谷くらいまでなら余裕で行けるし、中には名古屋まで走行した強者もいるのだとか。よし。それじゃ、我々もカートで東京観光としゃれ込もうじゃないか。ということで、秋葉原から上野を経由して、浅草、スカイツリーと、下町観光ドライブに出発!!

と、その前に店員さんから運転に関するレクチャー。約10分程度の説明を受けた。

▲エンジンのかけ方やウインカーなどの操作方法、走行時の注意点や保険などの説明を受ける ▲エンジンのかけ方やウインカーなどの操作方法、走行時の注意点や保険などの説明を受ける
▲もちろん、パワステなんかついていないステアリング。遊びもなく、少し切っただけでリニアに反応する ▲もちろん、パワステなんかついていないステアリング。遊びもなく、少し切っただけでリニアに反応する
▲ステアリングの左には、セル、ウインカー、ハザード、クラクションといった操作系が集まる ▲ステアリングの左には、セル、ウインカー、ハザード、クラクションといった操作系が集まる
▲メーターは総走行距離と速度計のみ。ガス欠に注意 ▲メーターは総走行距離と速度計のみ。ガス欠に注意
▲シート左下にはシフトレバーが。Fは前進、Rはバック、Nはニュートラルになる ▲シート左下にはシフトレバーが。Fは前進、Rはバック、Nはニュートラルになる
▲レクチャーが終わったら、いよいよ公道走行だ。店舗は地下駐車場にあるので、秘密基地から出発する気分!なお、気になる料金は1時間2700円~。1日レンタル(翌日返却)の場合は1万800円となっている ▲レクチャーが終わったら、いよいよ公道走行だ。店舗は地下駐車場にあるので、秘密基地から出発する気分!なお、気になる料金は1時間2700円~。1日レンタル(翌日返却)の場合は1万800円となっている

最初は怖いが運転してみると意外にすぐ慣れるかも

カートは左足でブレーキ、右足でアクセルを踏むので、最初は強烈な違和感。しかも、ハンドルに遊びがなく切れ角が小さいので、普段の感覚で操作をしたら曲がりすぎてしまいそうだ。

とはいえ、60km/hのスピードを守り、カーブではしっかりと速度を落とすなど、いわゆる普通の運転をしていれば操作自体に恐怖を感じることはない。10分もすれば、カート特有の挙動にもすっかり慣れた。

そして慣れると、楽しい以外の形容詞が見当たらない。体を覆うものがなく目線も低いので、30km/hくらいの速度でも疾走感がすさまじい。また、ステアリングも自分の意思と完全に連動。さらに、道路の凹凸や継ぎ目などがリアルにお尻に伝わってくる。まさに、車と一体化した感覚だ。

▲まずは、アキバカートにほど近い神田明神でドライブの安全を祈願 class= ▲まずは、アキバカートにほど近い神田明神でドライブの安全を祈願
▲最初は上野周辺をドライブ。写真は、国立科学博物館の屋外展示「ラムダ・ロケット用ランチャー」。1970年2月11日に日本で初めての人工衛星「おおすみ」を打ち上げたロケットランチャー(発射台)だ ▲最初は上野周辺をドライブ。写真は、国立科学博物館の屋外展示「ラムダ・ロケット用ランチャー」。1970年2月11日に日本で初めての人工衛星「おおすみ」を打ち上げたロケットランチャー(発射台)だ
▲お昼休憩の時には、きちんとパーキングメーターを使用。駐車版が上がるタイプのパーキングでは、カート底部を破損する恐れがあるので注意 ▲お昼休憩の時には、きちんとパーキングメーターを使用。駐車版が上がるタイプのパーキングでは、カート底部を破損する恐れがあるので注意
▲走行シーンはこんな感じ。最初はおっかなびっくりで曲がっていたカーブにも慣れる。対して速度は出ていないが、疾走感がハンパない ▲走行シーンはこんな感じ。最初はおっかなびっくりで曲がっていたカーブにも慣れる。対して速度は出ていないが、疾走感がハンパない

ちょっとした有名人気分を味わえる!?

楽しいのは、運転だけじゃなかった。驚いたのは、その注目度の高さ。停車すると写真を撮られるし、歩道から話しかけられることも度々。特に、外国人観光客は興味津々だったようで「グレイト!」なんてリアクションをいただいた。

カート初体験の福嶌くんは「最初は恥ずかしかったですが、慣れてくるとテンションが上がって、気が付くと手とか振っちゃってました」と、ちょっと調子に乗っていた。ちなみに、福嶌くんでさえ注目される珍しさを活かして、広告やイベントに活用する企業も多いのだとか。

できればカートを日常の足車にしたいが、さすがにそれは難しい。しかし、今年はホンダ S660や新型マツダ ロードスターなどドライビングプレジャーを満喫できる車が登場しているし、中古車でもコペンや旧型ロードスターなど物件数が多い車種が活発に動くことも予想される。運転の楽しさを満喫したい人は、それらの車にも注目してみてはいかがか。

▲最も注目されたのは浅草の雷門前。写真を撮られたり、声を掛けられたりと、ちょっとした有名人気分。人力車よりも注目されていた ▲最も注目されたのは浅草の雷門前。写真を撮られたり、声を掛けられたりと、ちょっとした有名人気分。人力車よりも注目されていた
▲やたらと、隣の車線の車やバイクから声を掛けられる。みな、「楽しそうだね~」とにこやかな表情なのが印象的だった ▲やたらと、隣の車線の車やバイクから声を掛けられる。みな、「楽しそうだね~」とにこやかな表情なのが印象的だった
▲目的地のスカイツリーをバックに一枚 ▲目的地のスカイツリーをバックに一枚
▲なんともシュールな給油風景。このスタンドはアキバカート近くなので慣れっこだったが、普通のスタンドだと驚かれること間違いなし ▲なんともシュールな給油風景。このスタンドはアキバカート近くなので慣れっこだったが、普通のスタンドだと驚かれること間違いなし
▲タンク容量はリザーブ込みで4.4L。燃費は10~15km/hとのこと。燃料計がないので、ガス欠にならないようにこまめな給油がオススメ ▲タンク容量はリザーブ込みで4.4L。燃費は10~15km/hとのこと。燃料計がないので、ガス欠にならないようにこまめな給油がオススメ
▲最後に諸元を紹介。全長2080mm×全幅1120mm×全高700mm。エンジンは空冷2サイクル単気筒の49.3CC。最大出力は3.1KW(4.15ps)/6800rpm。最大トルクは4.4Nm(0.45kgf)/6000rpm ▲最後に諸元を紹介。全長2080mm×全幅1120mm×全高700mm。エンジンは空冷2サイクル単気筒の49.3CC。最大出力は3.1KW(4.15ps)/6800rpm。最大トルクは4.4Nm(0.45kgf)/6000rpm
text&photo/コージー林田