現代演劇界の気鋭・岡田利規が描く最新作はコンビニがテーマ!? 世界9カ国15都市を巡り、待望の凱旋・日本初演!
国内外で高い評価を集める気鋭のアーティスト
コンビニをテーマに演劇作品を創ったのは、演劇カンパニー「チェルフィッチュ」を主宰する岡田利規(おかだ・としき)さん。2005年に“演劇界の芥川賞”といわれる第49回岸田國士戯曲賞を受賞して以来、“現代演劇のフロントランナー”として活躍する気鋭の演劇人だ。受賞作『三月の5日間』では、イラク空爆の時期に渋谷のラブホテルに入り浸るカップルや無気力にデモに参加する若者たちの姿をだらだらと、しかしどこか冷めたクールな視点で描き、日本と世界の距離感をリアルかつ絶妙に表現した。まるで世間話をするように観客(読者)に直接語りかけるスタイルは「落語の地口のようだ」とも評され、08年にはデビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』(07年発表)で第二回大江健三郎賞を受賞している。
既存の芸術表現の常識を覆し、虚を突くような方法論で広く注目されている。俳優が喋りながら手持無沙汰に何気なく体を動かしている(ように見える)脱力した身体性や日常的な所作は“ダンス的”にも見えることから、コンテンポラリーダンスの振付家賞「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005―次代を担う振付家の発掘―」最終選考会のファイナリストにもなり、「これははたしてダンスなのか?」「振付なのか?」と物議を醸した。常に言葉と身体の関係性を軸に現代日本の「今」を先鋭的に問う作風は、演劇界のみならず、文学界、ダンス界、アート界などからも広く評価されている。
その才能は国内のみならず、海外でも高く評価されている。07年には先鋭的な舞台作品が集まることで知られるベルギー・ブリュッセルの「クンステン・フェスティバル・デザール2007」に『三月の5日間』をもって参加。それ以降、海外から招聘のオファーが絶えず、国内のみならず国外でもツアー活動を展開している。11年には派遣労働者の浮薄な立場を綴った『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』が、カナダ・モントリオールの演劇批評家協会批評家賞を受賞。その後も、3.11東日本大震災後に発表した『現在地』(12年)や『地面と床』(13年)では原発事故後の日本人の心のあり方を描き、現代の気鋭アーティストが日本をどう見ているのかが、世界中から強い関心とともに受け止められている。
バッハの流れる中で描かれる“コンビニ黙示録”!?
そんな岡田さんが今回発表する新作が、日本の現代社会を象徴するコンビニエンスストアを舞台にした『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』だ(12月12日(金)~21日(日)@横浜・KAAT神奈川芸術劇場)。世界5都市との国際共同製作作品となる作品で、2014年5月にドイツ・マンハイムで世界初演をした後、ベルリン、リスボン、ロンドン、トリノ、マルセイユ、モスクワ、リオ・デ・ジャネイロ、グアナファト、モデナ、デュッセルドルフ、フランクフルト、バーゼル、チューリッヒ、クールを巡り、9カ国15都市をツアー。12月の横浜はその凱旋公演で、ようやく日本初演となる待望の新作だ。
物語の舞台は、大手コンビニエンスストア「スマイルファクトリー」。バイト店員の宇佐美くんと五十嵐くんは、「店長が奥さんとはもう数年セックスレスらしい」という噂話をして暇つぶしをしている。新入り店員の水谷さんは演劇をやっていて、彼女なりのサービスを追求しながら仕事に励んでいる。そんな中、常連客の生活の一部だったアイスクリームが販売を終了。しかし、そのアイスが「スーパープレミアムソフトWバニラリッチ」にパワーアップして戻ってくる。胸をときめかせる常連客と、期待に応えられたと喜ぶ水谷さん。一方、コンビニ無神論者とされる客が現れ、「何も買わないことでコンビニでの自由を守るのだ」という。また、本部からやってくるスーパーバイザーのマミヤSVは本社の意向をまくしたて、過剰な発注を強要する……。バッハの『平均率クラヴィーア曲集第一巻』全48曲をBGMとしながら、バイト店員、店長、客、本部スーパーバイザーの7人の強烈なキャラクターが交錯するコンビニ黙示録(!?)が、どこまでも軽くユーモラスに、そして辛辣に繰り広げられる。
【岡田利規さんのコメント】
“ほとんどの日本人が、毎日のようにコンビニエンスストアを利用しています。コンビニのない生活を想像することは、わたしたちにとってもはや至難の業です。「近くにコンビニもない」というのは、ここはひどいド田舎だ、という侮蔑的なニュアンスを含んだ言い回しです。
今回コンビニエンスストアを舞台にした作品をつくったのは、コンビニがわたしたちの社会を象徴しているからです。このようなあり方でよいのかと多くの人が疑問を感じていながら、それ以外のオルタナティブなあり方を現実的に考えることはとても難しいわたしたちの社会を、三年前に起きた震災と原発事故を契機に、大きく変革することだって可能だったはずなのが、少なくとも今のところそうなる気配のないこの社会を、コンビニは象徴しています。”
これまでにもイラク戦争や原発事故、派遣労働、格差社会など、常に現代社会を鋭く問う作品を発表してきた現代アーティストの目に、はたしてコンビニはどのように写っているのか!? コンビニ業界関係者のみならず、コンビニを当たり前のように毎日利用している人にとっても、新たな気づきをもたらしてくれる舞台となりそうだ。
【チェルフィッチュ】
岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。チェルフィッチュ(chelfitsch)とは、自分本位という意味の英単語セルフィッシュ(selfish) が、明晰に発語されぬまま幼児語化した造語。『三月の5日間』(第49回岸田國士戯曲賞受賞作品)などを経て、日常的所作を誇張しているような/していないようなだらだらとしてノイジーな身体性を持つようになる。その後も言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け現在に至る。07年クンステン・フェスティバル・デザール2007(ブリュッセル/ベルギー)にて『三月の5日間』が初めての国外進出を果たして以降、海外招聘多数。11年『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』が、モントリオール(カナダ)の演劇批評家協会の批評家賞を受賞。つねに言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け、12年『現在地』以降はフィクションへの探求のもと創作に取り組んでいる。13年5月クンステン・フェスティバル・デザールの委嘱作品として『地面と床』を発表。
【岡田利規】
1973年横浜生まれ。演劇作家/小説家/チェルフィッチュ主宰。その独特な言葉と身体の関係性を用いた手法により従来の演劇の概念を覆すとみなされ、国内外で注目される。05年『三月の5日間』で第49回岸田戯曲賞受賞。同年『クーラー』で「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005―次代を担う振付家の発掘―」最終選考会に出場。07年デビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を新潮社より発表、翌年第二回大江健三郎賞受賞。また、森美術館主催「六本木クロッシング展」に参加するなど多方面へ活動を展開する。12年より岸田國士戯曲賞審査員を務める。つねに言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け、12年『現在地』以降はフィクションへの探求のもと創作に取り組む。13年、世界9都市国際共同製作作品として『地面と床』を発表。同年、初の演劇論集『遡行 変形していくための演劇論』を河出書房新社より刊行。
岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。チェルフィッチュ(chelfitsch)とは、自分本位という意味の英単語セルフィッシュ(selfish) が、明晰に発語されぬまま幼児語化した造語。『三月の5日間』(第49回岸田國士戯曲賞受賞作品)などを経て、日常的所作を誇張しているような/していないようなだらだらとしてノイジーな身体性を持つようになる。その後も言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け現在に至る。07年クンステン・フェスティバル・デザール2007(ブリュッセル/ベルギー)にて『三月の5日間』が初めての国外進出を果たして以降、海外招聘多数。11年『ホットペッパー、クーラー、そしてお別れの挨拶』が、モントリオール(カナダ)の演劇批評家協会の批評家賞を受賞。つねに言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け、12年『現在地』以降はフィクションへの探求のもと創作に取り組んでいる。13年5月クンステン・フェスティバル・デザールの委嘱作品として『地面と床』を発表。
【岡田利規】
1973年横浜生まれ。演劇作家/小説家/チェルフィッチュ主宰。その独特な言葉と身体の関係性を用いた手法により従来の演劇の概念を覆すとみなされ、国内外で注目される。05年『三月の5日間』で第49回岸田戯曲賞受賞。同年『クーラー』で「TOYOTA CHOREOGRAPHY AWARD 2005―次代を担う振付家の発掘―」最終選考会に出場。07年デビュー小説集『わたしたちに許された特別な時間の終わり』を新潮社より発表、翌年第二回大江健三郎賞受賞。また、森美術館主催「六本木クロッシング展」に参加するなど多方面へ活動を展開する。12年より岸田國士戯曲賞審査員を務める。つねに言葉と身体の関係性を軸に方法論を更新し続け、12年『現在地』以降はフィクションへの探求のもと創作に取り組む。13年、世界9都市国際共同製作作品として『地面と床』を発表。同年、初の演劇論集『遡行 変形していくための演劇論』を河出書房新社より刊行。
【公演情報】
チェルフィッチュ『スーパープレミアムソフト W バニラリッチ』(神奈川公演)
2014年12月12日(金)~21日(日)@KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉
※英語字幕付上演:12月13日(土)14:00/12月15日(月)19:30/12月20日(土)14:00
※12月15日(月)19:30~の回の終演後、アフタートークを開催
出演:白井晃(演出家・俳優/KAAT アーティスティック・スーパーバイザー)×岡田利規(チェルフィッチュ主宰)
作・演出:岡田利規
出演/矢沢誠、足立智充、上村梓、鷲尾英彰、渕野修平、太田信吾、川﨑麻里子
KAAT神奈川芸術劇場
チェルフィッチュ『スーパープレミアムソフト W バニラリッチ』(神奈川公演)
2014年12月12日(金)~21日(日)@KAAT神奈川芸術劇場〈大スタジオ〉
※英語字幕付上演:12月13日(土)14:00/12月15日(月)19:30/12月20日(土)14:00
※12月15日(月)19:30~の回の終演後、アフタートークを開催
出演:白井晃(演出家・俳優/KAAT アーティスティック・スーパーバイザー)×岡田利規(チェルフィッチュ主宰)
作・演出:岡田利規
出演/矢沢誠、足立智充、上村梓、鷲尾英彰、渕野修平、太田信吾、川﨑麻里子
KAAT神奈川芸術劇場
[ 2014年11月06日掲載 ]
※ご紹介している情報は記事掲載日現在のものです。コンビニの商品やサービスは、売れ行きや地域などによって変更になる場合があります。最新の情報はコンビニ各社の公式サイトでご確認ください。
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