Fly me to the sky!
ホームノベルゲームをつくろう!≫6:素材と演出効果


6:素材と演出効果



■6−1:グラフィック(立ち絵・イベント絵)

ノベルゲームに限らず、シュミレーションやアクション、格闘など様々なジャンルにおいて、キャラクターの立ち絵やイベント絵(1枚絵・スチルなどとも呼ばれる)は、重要な要素になっています。

商業作品はもちろん、多くの同人作品でも、立ち絵やイベント絵などのグラフィックのクオリティは、シナリオと同等(あるいはそれ以上)に重要な部分と考えられているようです。

最近では、フリーの作品でも、豪華な立ち絵やスチルが用意されている場合が少なくありませんが、その反面、背景画像とテキストだけで作られたシンプルな作品も数多くあります。

フリーゲームにおいては、すべては作者の価値観や考え方次第です。だからこそ、まさ千差万別・玉石混交、何があるかわからない楽しさと恐ろしさが共存する世界ですが、その可能性と多様性は、フリーゲームの魅力の一つではないか、とも思います。

ここではまず、自分の作品に立ち絵やイベント絵を採用する場合、どんな方法があり、どんなことが想定されるか、考えてみます。


●無料素材を使う

立ち絵素材にも、無料で公開されているものがあります。入手も簡単ですし、そのままで加工しなくても使えるものもあり、気楽に使えるという点ではおススメです。

素材によっては、表情や服装、髪型などが数種類用意されたものもありますので、複数キャラクターに立ち絵を用意するもできますが、例えば写真素材と比べると、やはり公開されている数(種類)は圧倒的に少ないです。

ということは。
すでに多くの作品で使われている、ということも考慮する必要はありますが、たとえ同じ素材であっても話が違うのですから、そこは割り切ってしまえばいい話かもしれません。

もし加工可能な素材であれば、シルエットにしたり、顔の部分だけを使うなどして、オリジナリティを出す、という案もありますね。

必ずしも、欲しい表情や服装があるとは限りません。場合によっては、素材がないから物語の方を書き直す、なんてことになってしまうかもしれません。

イベント絵については、イラストの背景素材と組み合わせて作る、くらいでしょうか。

→立ち絵素材リンク集


●有料素材を使う

最近は、有料で配布される立ち絵素材も増えてきています。

同人ゲーム制作支援ネットさんで素材リンク集を見てみると、1キャラクター¥500から¥1000前後でしょうか。表情、髪型、服装差分なども豊富に用意されていますから、差分を入れ替えれば、今後の別作品に転用できるでしょう。思い切って買ってしまってもいいかもしれませんね。

有料素材は、画像解像度が高いので、自分の作るゲームのサイズにあわせてトリミングする必要はあるでしょう。高解像度の利点をいかし、素材を拡大縮小して、イラスト背景と組み合わせれば、簡単なイベント絵も作れるでしょう。


●自分で描く

描けるのなら話は早い!
というわけで、次。


●絵師さんに依頼する

僕は過去に1度「夏色のコントラスト」で、立ち絵とイベント絵を、絵師さんにお願いしたことがあります。ありがたいことに無償で引き受けてくださいまして、1キャラクター服装2種(私服・水着)、表情10種(ポーズ2種)、イベント絵3枚を描いていただきました。

有償・無償ではいろいろと違ってくるかと思いますが、ここでは絵師さんに絵をお願いするにあたって、最低限必要だろうと思うことを挙げてみます。

1)依頼

まずは絵師さんを探します。

検索や掲示板で募集するなどの方法が思い浮かぶと思いますが、pixivなど絵師さんの集まるサイトを探したり、あるいは過去にフリーソフトでイラストを担当した方に声をかけてみると、話が早いかもしれません。

何の接点もない場合、突然のメールで失礼します……とメールを送ってみるわけですが、もちろん、事前にその方のサイトをくまなく拝見して、どんな絵を描くのか、ゲームの立ち絵をやってくれそうかなど、確認しておきましょう。

もしかしたら返信はないかもしれません。断られてしまうかもしれません。その時はもうキッパリとあきらめ、他の絵師さんを探すなりなんなり、違う手を打ちましょう。

無償の場合は特にそうですが、絵師さんからすると、果たしてちゃんと完成するのかどうか、という点を不安に思うと思います。同じ作り手として考えたとき、自分の描いた絵が公開されないまま、なかったことになってしまう……というのは悲しい話ですからね。

そんなわけで、もし依頼するなら、必ず完成させ公開するという強い意志が必要です。

また、絵師さんとの間に確実な連絡手段を確保しておきましょう。フリーメールでやり取りしていると、大事なメールが迷惑フォルダに振り分けわれてて気づかなかった!なんてこともあります。プロバイダメールを教える、あるいはskypeやtwitter等の別の連絡手段など考慮した方がいいでしょう。

初めて作る作品は、素材を使って作ってみることをお勧めします。

というのも、ひと通りゲームを作る流れを理解しておかないと、絵師さんとの話がかみあわなかったり、重要なことが伝わってなかったりと、いろいろと不都合やトラブルが起こる可能性が高いからです。


2)納期

依頼し、引き受けてもらえたら、次に必要なことはスケジュールと納期(しめきり)です。

つまり、必要な絵(表情や服装)はどれくらいで、いつまでに作ってもらうか、という話。これは、実際に必要な絵の種類、枚数を具体的に提案した上で、煮詰めないといけません。

その為には、おおよそシナリオの骨格ができていないと話になりませんよね。後から追加でお願いするというのも、絵師さんの都合もありますので、なるべくなら避けた方がいいでしょう。

ある程度、完成できるというメドがついてから絵師さんを探した方が、話が早いかもしれません。


3)キャラクターイメージ

例えば、立ち絵は女の子3人で、服装は制服、表情は笑い、泣き、怒りの3種類。

……なんて、これだけじゃ絵師さんも困ってしまいます。

女の子3人って言われても、髪色や髪型は? 体型、身長、肌の色は? 制服って言われてもいろいろあるし、必要なのは足先まで? それとも胸から上でいいの? 好きに描いちゃっていいの?

表情や容姿、服装、ポーズといった目に見える部分はもちろん、そのキャラクターの性格や言動、雰囲気など、伝えられることはぜんぶ伝えた方がいいでしょう。

またイベント絵については、その絵が使われるシーンを理解してもらう必要があります。

立ち絵よりも、さらに具体的に、例えば構図なども考えます。絵師さんがOKなら、あとはお任せします!なんて言って、テキストだけ渡す方法もありますが、その場合は出来上がったものがイメージと違う!となるかもしれないので、注意が必要です。

シナリオが出来ているなら、部分的でもそれを読んでもらい、絵師さんにストーリーやキャラクターを理解してもらうといいでしょう。(もちろん、まずは作者が理解している必要があるわけですが)

僕の場合は、依頼する段階ですでにキャラクター像やプロットは完成していて、シナリオも半分程度は書きあがっていました。そこで、そのへんのことを全部伝え、こちらからも水着の形や色などの具体的な部分も伝えました。

以下は実際に送ったメール(部分)

★タイトル 「夏色のコントラスト」

 ジャンル:恋愛ノベル(全年齢)
 キーワード:夏、海、田舎、水着、爽やか、明るい

★あらすじ

 主人公(17歳・男)は夏休みのある日、1通の暑中見舞いを受け取る。それは中学の時に仲がよかった女の子、佐倉めぐみからだった。美術部で一緒に絵を描き、ご近所さんでもあり、そして中学3年間を過ごしたその海辺の町で、いろいろとお世話になった人でもある。
 懐かしく思い出した主人公は思い切って電話をかけてみる。すると、ひょんなことから彼女の家(民宿)へと泊りがけで遊びに行くことになってしまったのだが……。
 真夏の陽射しが照らす海辺の田舎町を舞台に、再会からはじまる恋の物語。
 ※あー青春してるなーって感じの青いお話です。読んでる方が赤面する感じの^^;

★設定

 名前:佐倉めぐみ
 年齢:17歳
 身長:155cmくらい
 性格:面倒見がいい、働き者、社交的
 趣味:絵(水彩画、イラスト)
 髪型:軽くはねてる感じのショートカット。肩には届かない。
 髪色:濃い茶色(染めてないが、海育ちで軽く焼けている)
 瞳色:髪と同じ。
 体格:バストは巨乳でも貧乳でもなく。
 服装:Tシャツorキャミソールに薄手の半そでパーカー、ショートパンツ。
 水着:ビキニ ※露出度控えめで、胸は下部が露出しないスポーティーな感じ。
 服色:服や水着は、赤やオレンジ系などの明るめの暖色で。

 笑顔が印象的な明るいショートカットの女の子。
 実家が民宿なので必然的に社交的な性格になったが、実際はいろいろと繊細な一面も持っている。冒険好きではないけれど、ときどき思い切った行動に出る。ちょっと大人びた発言や態度で集団から誤解され浮きがち。いわゆる女の子同士のおつきあいが苦手。
 1人でスケッチブック持ってでかけたりと、軽くアウトドア派。やんちゃな弟(小3)がいるせいか面倒見がよく、子どもにも好かれる。
 とある理由で高校中退。実家で民宿の手伝いをしつつ、絵を描いたり、大検のお勉強をしたりしている。

★立ち絵(頭〜ふとももあたりまで)

 服装2種(私服/水着)、表情6種類で10パターン予定
 @(服あり/水着)普通。口は閉じてるけど軽く笑ってる明るい表情。
 A(服あり/水着)笑顔。口を開けて笑っている。楽しい。
 B(服あり/水着)はにかんでいる。照れて目元に朱がさしている。
 (視線はずしてます)
 C(服あり)はにかんでいる(照れなし)。久しぶりの再会に嬉し恥し。(視線あり)
 D(服あり)真剣。考えていること、思っていることを話している/聞いている。
 E(服あり/水着)ちょっと怒ってる。(弟がいたずらして)こらっ!という感じ。 

 基本的に、B以外は視線ありでお願いします。背景画像は写真を水彩画っぽく加工したものを使用する予定です。

 立ち絵は最終的にアルファ値で透過加工しますので、背景透明のpngかフォトショップのpsdファイルでお願いします。スチルは800*600、企画の仕様でjpgです。

★スチル(1枚絵) 3枚 サイズ:800×600

@夏の海! 童心に返るヒロイン
ふざけてヒロインと水をかけあうシーン。もちろん水着姿。できれば夏の日差しを浴びて陰影のくっきりした感じ。

A夕方、遠くを見ているヒロインの横顔。堤防に座って2人は海を見ている。ふと隣を見ると海を見ている彼女の真剣な横顔。

B最終日。駅でお別れ。再会の約束をした後、お互いにがんばろうねという笑顔で。


ちなみにスチル@の、ものすごくベタなシーンについては、グラビアアイドルの写真集なんかをイメージしてまして(笑)、画像検索から雰囲気にあう画像を探して、実際に見てもらったりもしました。

その後、ラフ絵が送られてきて、それをスクリプトに組み込んで確認し、何度かやりとりの後で完成ファイルをいただきました。画像は高解像度で作られていて、pngへの書き出しなどはこちらですべて行いました。

他のどこにもないオリジナルのグラフィック。
しかも、自分のイメージしたキャラクターですから、それが形になった時は感動物でした。


●立ち絵は使わない

最後に、立ち絵は使わないという選択肢について。

ノベルゲームに立ち絵画像は必須ではありません。
というか、「別に、なんでもありでいいでしょう!」と思っています。

立ち絵がない。
それはそれでメリットもあるんですね。

前述したとおり、既存の素材を使う場合だと、欲しい素材がなくて、物語の方を変えざるを得ない状況になってしまうことがあります。シナリオでは「特別な笑顔」なのに、素材には普通の笑顔が1種類しかない。どうしよう。その笑顔を特別な笑顔にする為に、普段は笑わないキャラにするしかないか……なんて。

立ち絵はなし!と決めてしまえば、小説のように、どんなキャラでもシーンでもOKです。どんな美少女でも、どんな表情でも出したい放題です。もちろん、そう思わせるような描写は必要ですけどね。

描写についてもメリットがあるかもしれません。

立ち絵があると、どうしても描写は少なめになります。立ち絵が笑っていれば、わざわざ「笑った」とは書かなくていいわけですから。ですが、その流れで描写そのものが薄めになってしまう可能性もあります。

立ち絵がないことで、描写に意識を向けざるをえないわけです。
文章修行という意味で、これもメリットと呼んでいいのではないでしょうか。

立ち絵なし。
読んでもらう人に想像(妄想)で補完してもらう。

この手法は意外と受け入れてもらえるようです。やはり、人間に備わった想像(妄想)という力は、生半可なものじゃないわけですね。そういえば「下手な絵があるより、ないほうがマシ」という意見もありました。

処女作「Beyond the summer」を公開した時にも、恋愛ものなのに立ち絵がないということで、果たしてどんな反応があるか(あるいは反応さえないか)とハラハラしていましたが、幸いにも好意的に受け取ってくださった方が多かったようです。

想像(妄想)してもらう為の材料となる部分、つまり「人物描写」を多くするなど、工夫は必要かと思いますが、立ち絵やイベント絵について考えなくていい分、シナリオに集中できるのですから、やってみる価値はあるかと思います。


■6−2:BGM・効果音

1)BGM(Back Ground Music)

音楽から受けるイメージというのはとても強いです。

シリアスなシーンでコメディな音楽がなっていたら?
音量をミュートにするか、あるいはプレイをやめてしまうかもしれません。

ところが、シーンにあった音楽を探すのは、結構大変な作業です。
幸せなことにゲームのBGMとして利用可能な曲はたくさん公開されていますし、曲を探すだけでなく、候補を選ぶために聴くだけでも結構な時間がかかります

イントロだけで決めたら、後半で曲調が変わる曲だった……なんてトラップも(汗

曲選びにかける時間をなるべくたくさん確保しつつ、何度も聴くことでBGMとしての作品との相性を探る為にも、BGMについては、なるべく制作初期から着手しておくことをおススメします。

出来上がってからイメージに合う曲を探してもいいのですが、公開することを考えると、どうしても曲探しにかける時間は削ってしまいがちです。完成が近付くと、早く公開したいと思ってしまうのが作者心ですしね(違う?)。

シナリオと同時進行にしておけば、行き詰った時に曲を探したり、実際に曲を聴きながら読み返してみたりもできます。そうやって時間をかけることで、いい曲と出会える可能性も高くなります。

ただし、いい曲と言っても、BGMという視点は忘れてはいけません。大切なのは、文字通りバックグラウンドとして使えるかどうか、なんですね。

いい曲でも、BGMには向かないものがあります。個性が強く、単独で聴きたい曲、というのも、たくさんありますから。

曲には、大きくわけてパターンを繰り返すタイプと、起承転結のような展開がはっきりしたものがあると思うのですが、BGM向きなのは前者です。

パターンを繰り返すタイプは、エンドレスで聴いていてもストレスがなく、「聴いている」から「聞こえている」へと簡単にシフトするので、特に何もしなくても、バックグラウンドで聞こえている状態になります。

逆に、展開のはっきりした曲は、ついつい曲をしっかりと聴いてしまうんですよね。これで、同時に物語を読むのはキツイ。オープニングやエンディングテーマなどではむしろ効果的かもしれませんね。

読むと聞くを両立させ、かつ読む方を主軸にする為には、何度も繰り返し聴ける曲(つまりイージーリスニング!)を選ぶことが重要です。

その為には、まず作者自身がエンドレスで聴きながら確認しましょう。シナリオを書く時のBGMとしてくり返し聴いてみて、曲が気になって作業が進まないようなら、BGMには向かないかもしれません。

素晴らしい曲とBGMとして向いてる曲は、必ずしも同じじゃない、ということですね。

→リンク集:BGM素材

2)効果音(SE/Sound Effect)

最近では高音質の効果音配布サイトもありますし、音源を編集するためのソフトもフリーで入手できます。

時間と余裕があれば、効果音にもこだわってみると、より作品の奥行きや臨場感をアップできると思います。

例えばドアを開ける音や、何かが壊れる音など1回のみの効果音は、配布されている素材そのままでも(音量には注意)十分に効果があります。

ですが、電車の走行音、雨の音、川のせせらぎ、セミの鳴き声のようなループ再生する効果音は、ちょっと注意が必要です

特に環境音(自然の音)は、ループ再生の継ぎ目が不自然になりやすく、そこに違和感が出てきてしまうので難しいんですね。本来、自然の音はランダムなわけですから。

そういう時は、思い切って最初に1回だけ鳴らして止めてしまうのも一つです。雨音も、最初に5秒くらい音を流せば、読んでる方も十分に理解できますよね。

システムの効果音(ボタンを押した時の音など)は、積極的に使ってみることをおススメします。マッチした音をセットすると、ぐっと印象がよくなると思います。

とは言うものの。

効果音は、なければないで、特に気にならないものでもあります。下手に効果音がついてるとかえってマイナス効果ということもあるんですね。

かつて僕は「Beyond the summer」(Ver1.0)で、電車音の効果音をMIDI音源のガンショット連発で表現するという暴挙にでました(汗)。当時は効果音配布サイトも少なく、僕自身もMIDIに関する知識がなかったんですよ。

いくらそれっぽく聞こえるとはいえ(MIDI環境によっては聞こえなかった)、あきらかに電車音じゃない音を繰り返し聞かされるのは、苦痛ですよね。電車の画像はあるわけですから、別に電車の走行音なんて、なくたってよかったわけです。

効果音は、あった方がより効果的な部分に使うといい、というのが僕の結論。

→リンク集:SE素材


■6−3:背景画像と画面効果

1)写真背景

写真素材は、ネット上に種類も枚数もたくさんあります。

学校や町並みといった汎用性の高い写真から、変わった場所を撮影したものまで、探せば探すほどいろいろ見つかってきて、どれを使うか迷ってしまいます。

写真は、加工して使う場合も多いですね。

その場合は加工方法を同じにしておくと統一感がでます。画像加工ソフトはいろいろありますので、自分流の加工方法を探してみるのも楽しいかもしれません。

→リンク集:写真素材


2)イラスト背景

イラスト背景は、立ち絵との相性を考えると、写真よりはるかに良いです。

ただし、写真に比べれば種類は少ないので、立ち絵同様に、描きたいシーンにあった素材がない場合にどうするか、工夫が必要です。また、写真と違い、絵のタッチが異なると統一感はでません。

有料素材を探せば、イラスト背景でもかなり豊富な種類が公開されているようです。

→リンク集:イラスト背景素材


3)画面効果

背景画像や、画面そのものに変化をつけることでも、様々な演出ができます。
例えば画面を揺らしたり、色を変えたりするのは定番ですよね。

背景だけでなく、キャラクターの立ち絵を上下左右に動かしたり、まばたき(目パチ)や、口パクさせたり、なんてこともできます。

1)セピア、モノクロ、ネガポジ、色相

セピアやモノクロといえば、回想シーンの定番ですね。
あれは一週間前のこと……なんてセリフとともに画像をモノクロにすれば、あとは色が戻るまでは回想シーンだということがわかります。

ネガポジを変えるのは、ショックを受けたシーンなんかでたまに見かけます。色相を変えると異世界っぽい感じになりますね。

セピアやモノクロならスクリプト側で制御できる場合もあります。でもせっかくですから、画像加工ソフトなどで、画像サイズの変更、透過処理、pngファイルへの書き出し、色相や彩度調整あたりはできるようになっておくと、ぐっと表現の幅が広がって制作がより面白くなると思います。

色相は、少し変えるだけで、同じ画像から昼間と夕方と夜の3枚を作ることができます。

その他、画像に様々な加工を施すことで、シンプルな写真から様々な背景画像を作り出すことが可能です。

→リンク集:画像加工ソフト


2)スクロール

スクロールというとエンドロールが思い浮かびますが、縦長や横長の画像を用意して見上げたり、見渡したり、という演出もできます。

読み手もおっ?っと興味を感じてくれるかもしれません。

ただし、スクロールしている間、読み手は「待ち」状態なので、スキップできるようにしておくか、あるいは1度でやめた方がいいかもしれません。

読み手視点で考えたとき、マイナスになる演出(特に読み手を待たせる演出)は要注意です。


3)ウェイト

Wait/待つ。
文字通り、読み手を待たせる演出です。

例えば「そして次の日」というようなシーンでは、画面がパッと一瞬で切り替わるよりは、ちょっとしたウェイトやフェードイン・フェードアウトがあった方が、次の日になったような演出になります。

ただ前述したように、読み手をあまり待たせるのは禁物です。

クリックしても飛ばせない場合(強制ウェイト)は、ここぞというシーン以外はやらないほうがいいかもしれません。5秒のウェイトは、結構長く感じます。1秒ウェイトでちゃんと効果がありますよ。


3)ボタン、テキストウィンドウ

物語の内容にあった雰囲気のボタンやテキストウィンドウがあると面白いですよね。余力があれば、そのへんもこだわってみると面白いと思います。

ボタンは「AquaMaker2」というステキなボタン作成ソフトがあります。
おススメです。

テキストウィンドウは自作したり、配布されている素材などを使ってみるといいでしょう。その際、文字の読みやすさには注意しましょう。


4)エフェクトルール、クリック待ちカーソル

画面のフェードイン/アウトや、様々な切り替え効果を使うと、工夫次第で面白い演出ができます。

画面の切り替えエフェクトについては、スクリプトエンジンで用意されているものもありますし、オリジナルの効果も作れます。

オリジナルのNScripter用エフェクトルール画像は、素材ページで配布していますので、よかったら使ってください。画面上の「作者から選ぶ」で探してくださいね。


5)揺らす(シェイク)、光る(フラッシュ)

画面を揺らす効果(シェイク)はほどほどにしましょう。
目が疲れますし、揺れている間は「待ち」なのです。

フラッシュはやめたほうがいいかもしれません。
ポケモンの例がありますので……。


■6−4:素材集めノウハウ

素材とかって、どこで配布してるの?
簡単です。

あなたのHDDにあるフリーゲームのreadme.txtを最後まで読みましょう。
あるいは、制作者のサイトのリンク集をたどりましょう。

ところで、素材と言っても、Web用もあれば、CADや3D用もあり、ゲームへの使用不可のものもたくさんあります。ですから、誰かがゲームですでに使っている素材サイトをあたれば、ほぼ確実(利用規約が変わってなければ、ですが)ですよね。

次に、たどりついたサイトをブックマークし、ショートカットを作成。

「利用規約」を読み、その規約のWebページをそのまま保存(Webページが保存できない場合は、テキストをコピペして保存)。そして、サイト名のフォルダ内にこれらをまとめ、DLした素材と一緒に保存しましょう。

なんとなくDLして置いておくと、後でどこのサイトの素材かわからなくなります。この先、素材の数が増えていくことを考え、フォルダわけと規約の保存は必須です。後で、自分が助かります。

素材サイトの方針は様々で、「要報告」「事前報告」もあれば、「要リンク」や「報告・リンクは任意」もあります。いざ完成した時に、どの素材を使ったのか、どこのサイトへ報告が必要なのか……わからなくならないようにしましょう。

それから「これこそ探していたもの!」というものがあれば、発見したその時にダウンロードしておきましょう。あとでいいや、はリスクがあります。

なぜか?

ある日、突如として素材サイトが閉鎖。
作者さんとも連絡取れず、素材のDLもできない……という場合があるからです。

それが「絶対に使いたい素材」なら、作者さんに、喜びの声とともに、使用する予定です!的な報告メールを出してしまう、というのも有効です。その時点で、使用許可を得てしまえば、万が一のサイト閉鎖、配布終了でも、対応が可能ですからね。

実際「夏色のコントラスト」のエンディング曲「雲のように」は、幸運にもサイト閉鎖の直前に閉鎖告知を発見できたため、あわててメールを出し、まだ作品は未完成でしたが、使わせて欲しいとメールを出し、許諾していただいたものです。その後、そのサイトは残念ながら閉鎖されてしまい、今では曲もDLできません。あの作品には、あの曲しか考えられず、まさにギリギリのタイミングでした。

最近では素材投稿サイト「Novelers' Material」がオープンし、画像や音楽、効果音などすでに2000以上の素材が集まっています。ぜひご利用くださいませ。もちろん無料です。以上、宣伝でした。


■おまけ:フォントにもこだわってみる?

欧文フォント和文フォント、どちらもフリーフォントがたくさん公開されています。
タイトルロゴや、ボタンなどを同じ書体で統一してみると効果的です。

フォントのインストールは簡単ですし、前述の画像加工ソフトやボタン作成ソフトなどを使えば、簡単に作れます。

また吉里吉里ではフォントの埋め込みも可能のようですから、本文フォントを変えるのも面白いかもしれませんね。

→リンク集:フォント


←もどる
copyright © Mahiro_Aihara/Since 2004/07/20
当サイトに掲載されている全ての画像、文章、コンテンツの無断転載を禁じます