2015年4月前後で購入した漫画
5月の初旬という中途半端な時期ではありますが、4月~本エントリー公開時までに購入した漫画のメモなど。全くもってジャンルに統一感が無いのは相変わらず。漫画は読みたいものを読みたい時に。
白山宣之「地上の記憶」
前から気になっていた作品ですが、5月のKindle月替りセールで199円だったので衝動買い。作者の白山氏は2012年に病没されていて、その遺作集であるこの「地上の記憶」。収録作は現代劇「陽子のいる風景」「ちひろ」、時代劇「Picnic」「大力伝」、冒険譚「Tropico(前・後編)」の計5編。氏の作品に初めて触れましたが、うーん、不思議な作風だなぁ。漫画家さんに対して絵がうまい、というのはまったくもって陳腐な褒め方なのですが、こう一コマ一コマに味があるというか、じっくり、何度も眺めたくなる魅力があります。そしてそのコマがつながった時、そこに作中に生きている人間の息遣いを感じる。味わい深い短篇集。
塀内夏子「プリンセス オン アイス」
講談社「BE・LOVE(ビーラブ)」にて連載されていた、スポーツ漫画の大家・塀内夏子先生描く、フィギュアスケート漫画「プリンセス オン アイス」全3巻。…多分この作品絶版だと思うのですが、中古で購入。塀内先生の作品が好きなのですが、塀内先生が女性誌でフィギュアスケートを題材にした漫画を描かれていた、ということをホントに最近知り、勢いで購入。全三巻という巻数からやんわり想像していましたが…この作品、おそらく打ち切りですよね?(違ってたらごめんなさい。)伏線も回収されてないし。でもおもしろいですよ。マジで。ヒロイン「まふゆ」やライバル「れい」の表情が素晴らしくいい!演技の描写も流石の塀内作品、アスリートの一瞬一瞬が丁寧に、力強く描かれています。そしてお約束のコーチとの恋愛、っぽい空気もあったりして、塀内作品らしさ+新境地(?)があますことなく楽しめます。続編を是非読んでみたい。
河内遙「文房具ワルツ」
恋に、アートに、人生に悩める人々のそばに、かわいい文房具たちの影あり?「関根くんの恋」の河内遙氏による連作短編集。私にとって「ケーキを買いに」以来の河内作品。「ケーキを~」がなかなかどぎつかったので(笑)おっかなびっくり読みましたが、良い作品でした。何気なく生きているようでしかし悩み多き人々が、つまずきながらも前向きに生きようとする。そしてそれを時に助け、見守るのは彼ら愛用の文具。擬人化された文房具たちの気持ちが何ともいじらしく、可愛らしい。この漫画を読み終わると、身の回りの文具が愛らしく見える、…かもしれません。
山岸凉子「鬼」
今月買ったマンガ5冊(新刊無し)。 - ネットタイガーにて購入した「わたしの人形は良い人形」に続き、山岸凉子作品を購入。表題作「鬼」他、「肥長比売(ひながひめ)」「着道楽」の三編を収録。特に天保の大飢饉で苦しみ死んでいった子どもたちの怨念を描いた「鬼」は、その題材からなかなかショッキングな描写もあります。くくりとしては恐怖・怪奇漫画だとは思いますが、怖いというよりは考えさせられる内容。決して万人には勧めませんが、機会があれば読んでいただきたい一編。他二編は純粋な和風ホラーで安心して怖がれます。
無料で1巻を読んで続きが気になっている漫画
電子書籍で漫画のシリーズ第一巻が無料!というのもすっかりおなじみになりましたね。まあ2巻以降を購入させるためのちょっとしたトラップなんですけど。でも読んだ本がおもしろかったら、そのトラップに引っかかるのも悪くはないです。というわけで最近読んだ第一巻が無料で、「続きが読みたい!」と思った漫画です。なお主に金銭的な問題で続きはまだ読んでいません。また下記Amazonのリンク先が無料というわけではないのでご注意を。
那州雪絵「魔法使いの娘」
「ここはグリーン・ウッド 」を書かれた那須氏の作品。「ここは~」は名前だけ存じ上げていましたが、那須氏の作品を読んだのは遅まきながら初めてです。陰陽師である義理の父が高校生・初音のもとに差し向けた二人の男。片方は父の弟子、もう片方は彼女を殺そうとする「鬼」で…(第一話)、という退魔もの。比較するものではありませんが「百鬼夜行抄」好きな自分としては設定もお話もどストライクでした。ライトな空気の中に時折入り交じる「恐怖」がそれらしい。この「魔法使いの娘」自体は全8巻で完結しているのですが、現在は続編「魔法使いの娘ニ非ズ」が連載されているそうで、手を出そうか悩む…。
吉田秋生「海街diary」
海街diary 1 蝉時雨のやむ頃 (flowers コミックス)
- 作者: 吉田秋生
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/03/05
- メディア: Kindle版
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (11件) を見る
「うみまちダイアリー」と読みます。古家に住む三姉妹が、離婚した父の死去をきっかけにその娘(つまり腹違いの四女)に出会い、ともに暮らすまでを描いた第一巻。こういう家族ドラマに弱い。特にこう「ちょっと事情を抱えた人物が新たに家族に加わる」という擬似家族的なお話は、その後の豊富なドラマ展開に期待せずにはいられない。そして三姉妹の描写がかしましくって、「あー、自分もこの家族の輪の中に入りたい…」なんて夢想してしまいます(変な意味ではなく)。読者にそういう思いを抱かせる、というだけでもう作品の勝ち、なんですよね。
まとめ
以上、購入した漫画4つ、第一巻を読んだ漫画2つ、計6作品のご紹介でした。見なおしてみると女性誌に掲載されている作品が多い、ですかね。でも電子書籍や通販が発達して、気兼ねなく女性向け(にジャンル分けされている)作品を試し読みしたり購入できたりするのって、ホントに便利だと思うのです。今まで手が伸びなかった分野にも食指が動く、というか。特に電子書籍を利用している皆様、試し読みはタダなので、未開のジャンルにもどんどん手を出しましょう。新しい地平が開けますよ。