欧州発の世界の債券安、1週間余りで40.7兆円消える
2015/05/06 16:56 JST
(ブルームバーグ):世界の債券市場で4月27日以降に約3400億ドル(約40兆7000億円)が失われた。投資家は6年間の上昇相場の持続を疑問視し始めている。
欧州のメーデーの連休後の週明け、ギリシャと債権者側の交渉行き詰まりを背景に欧州債相場は下落した。欧州中央銀行(ECB)の刺激策がデフレリスクに終止符を打ったようにみられるなかで、著名投資家のジェフリー・ガンドラック氏がビル・グロース氏に続きマイナス利回りに疑義を呈したことなどで利回りは先週から上昇していた。
バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのデータによると、世界の債券市場の時価総額は45兆2200億ドルと4月27日時点の45兆5600億ドルから減少している。
クレディ・スイス・グループの金利ストラテジスト、アイラ・ジャージー氏は電話取材にニューヨークから応じ、ECBによる「欧州の量的緩和(QE)が理由で多くの市場参加者が欧州債を買わなければならないと考えていて、多くの市場がこれに強く連動していた」が、「ここ3日は欧州の堅調なデータに基づいた動きになっている」と解説した。
ギリシャをめぐる前回の混乱時には質への逃避でドイツ債が買われたが、今回はドイツ債も下落。ドイツ債との利回り格差を理由に買われていた米国債相場にも下押し圧力がかかった。
原題:Bond Damage Tally: $340 Billion Lost as Slump Put in Perspective(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先:トロント Cecile Gutscher cgutscher@bloomberg.net
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更新日時: 2015/05/06 16:56 JST