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米中の賭博の舞台に

 中央日報の裵明福(ペ・ミョンボク)論説委員の「自画自賛の韓国外交」(3月31日、日本語版)は、2つの新聞マンガを転載しました。マンガもネット版で見ることができます。

 1つは、3月にニューヨーク・タイムズ(NYT)がオピニオン欄に載せたものです。米中が、賭博場のテーブルに広げた韓国の地図の上で賭けている図です。

 米国は賭け金としてミサイルの束を、中国は現金を出しています。ミサイルはTHAAD、中国の現金はAIIBを意味します。

 韓国人はこれにいたくプライドを傷つけられたようで、いくつかの韓国紙がこのマンガを報じました。

 彼らは「米中の2大大国を競わせることにより、双方から利益を引き出している」と政府から説明を受けていた。つまり、韓国は「したたかな中堅国外交」を展開していることになっていた。

 だのにNYT――韓国では権威そのものです――が大国同士のギャンブルの舞台として、つまり従属的な国として韓国を描いたのです。

日露の間で悲鳴を上げた朝鮮人

 もう1つのマンガは、100年以上も前の日露戦争当時に、西洋の新聞に載ったものです。日本人とロシア人が朝鮮人に綱を付け、両側から引っ張っている図です。朝鮮人は悲鳴を上げています。

 裵明福論説委員は2つのマンガを並べることにより、下手すると韓国は日本に植民地化される前のように、再び大国が取ったり取られたりする勢力圏争いの場にされるぞ、と警告したのです。

 そして尹炳世外相の「ラブコール」に言及、韓国がこれほど際どい状況に突入しているというのに、外交当局の現状認識がいかに甘いことか、と手厳しく批判したのです。

 尹炳世外相の呑気な自画自賛発言で外交批判が燃え上がったところに、日本が油を注いだ形になりました。

 4月22日、安倍晋三首相がインドネシアのジャカルタで開かれたバンドン会議で習近平主席と会いました。4月29日には米上下院合同会議で演説しました。

 韓国人はこれこそが「外交敗北」の明白な証拠と受け止めました。こんな空気の中、ついに保守系紙が政権に「無能」のレッテルを貼り出したのです。


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