【寄稿】「悪い日本」国際宣伝、韓国の戦略に限界

安倍訪米、韓国「積極外交」の契機に

 安倍首相の米上下両院合同会議での演説には、やはり失望を覚えた。安倍首相の言動を見ると、今回の演説は安倍首相の「マジノ線」(最後の防御線)を示した。安倍首相は植民地時代の侵略を認めようとしない傾向があり、従軍慰安婦問題についても強制連行を認めていない。安倍首相にとって容認可能な限界は、バンドン会議で使用した「反省」という言葉から少し進んで「植民地時代に苦痛を与えた」までだ。米国や国際社会の圧力が安倍首相自身の認識を半歩前進させたのだ。8月の(戦後70年)談話の内容もほぼ同じレベルにとどまるだろう。韓国が望む植民地時代の「侵略」「反省」「謝罪」というキーワードすべてを安倍首相が受け入れないのは明らかだ。日本国内でさえ、「安倍首相の演説は、米国国民には感情的な訴えを通じて絆(きずな)を強調したのに対し、アジアには冷淡だった」と批判されるほどだ。こうした点から見ると、今後の韓日関係は順調でないことを予告したも同然と言える。

 今は、韓国の外交が北東アジアをどのように作り、各国関係をどのようにしていくのかという積極外交が必要な時期だ。安倍首相の訪米で「悪い日本」という宣伝だけで国際社会を説得するのには限界があることが明らかになった。6月の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領訪米は積極外交の場として活用しなければならない。韓国は北東アジアでの役割を拡大するためグランドデザイン(全体構想)を具体化し、韓国が貢献できることを国際社会に示すべきだ。これが前提になれば、北朝鮮問題や韓日関係改善に対する韓国の解決案も力を得られる。

陳昌洙(チン・チャンス)世宗研究所日本研究センター長
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