【社説】内政も外交も成果がない朴槿恵「無気力」政権

 外交・安全保障政策はさらにひどい。今月1日に劉承ミン(ユ・スンミン)院内代表や元裕哲(ウォン・ユチョル)政策委議長などセヌリ党執行部は外交部の尹炳世(ユン・ビョンセ)長官と国防部の韓民求(ハン・ミング)長官を呼び、政府と与党による意見交換の場を持った。この席で党側は「韓半島(朝鮮半島)周辺強国が国益と実利という次元から幅広く動き出した影響で、これまでの外交・安全保障政策が揺らいでいる。わが国だけがどっちつかずの態度を取っているため外交面での孤立状態に陥っているのではないか」と指摘し、見解を問いただした。すると尹長官は「そんなに心配する必要はない」という言葉を繰り返すばかりだったという。そのためこの場に同席していたある与党関係者は「同じ言葉を繰り返すだけなら、政府与党による協議など必要ない」と言い残して席を立った。政府の外交政策は、今や与党さえ説得できないほど完全な崩壊状態に陥っているのだ。

 朴大統領にとって就任から3年目となる今年は大きな選挙もないことから「これまで後回しにされてきた重要課題が力強く推し進められるのでは」といった周囲の期待が当初から大きく、また朴大統領自身も「政権運営のゴールデンタイム」などと語っていた。ところがふたを開けてみると労働改革は完全にストップ状態で、公務員年金改革は「味気がない」と皮肉られるほど中味のないまま終わった。その影響で今や改革を推進する力さえ失われようとしている。さらに日本の安倍政権による円安政策に押されて経済は回復の兆しもなく、外交も完全に行き詰っている。どれをとっても国民を安心させられるような成果が出たというニュースはどこからも聞こえてこない。

 このように完全に行き詰った現状に対し、朴大統領はそれぞれの解決策を見出した上で1日も早く復帰を果たさねばならない。まずは国民が納得できる人物を新しい首相に任命し、政府に求心力を取り戻すことが何よりも急務だ。同時に外交・安全保障政策の担当者を一気に見直すことも必要だろう。もし今回も人材の入れ替えに失敗し、政策を実行に移す力を取り戻すことができなければ、今の政権は無気力どころか、最終的に「無能な政権」という汚名を間違いなく残してしまうだろう。

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