低物価で韓国の輸出額8.1%減、日本は円安で8.5%増

韓国で広がるデフレ懸念、政府は否定

 中小企業の生産力と技術力がしっかりしている日本とは異なり、輸出大企業への依存度が高い韓国の場合、デフレに陥ると、日本よりも脱却が難しいとの分析も聞かれる。延世大の成太胤(ソン・テユン)教授は「政策当局が楽観論を主張していながら、景気悪化が続くと、財政政策と通貨政策を小幅に調整するという状況が繰り返されている」と指摘した。

 韓国政府は最近の低物価が外部要因によるものであり、デフレではないと反論している。物価上昇率が低いのは原油価格の下落と農産物価格の安定が原因だとの説明だ。企画財政部(省に相当)は「石油類の値下がりとそれに伴う都市ガス料金値下げの要因が4月の消費者物価を1.4ポイント引き下げた」と指摘した。その上で、石油類や農産物価格などの外部要因を除くコアの物価は2%台を維持しており、まだデフレに言及する段階ではないとした。

■輸出品の値下がりで輸出額減少

 低成長・低物価は韓国だけでなく世界的な現象だ。世界的な低物価は韓国の輸出に悪影響を与えている。産業通商資源部によると、4月の輸出は前年同月比8.1%減の462億1800万ドル、輸入は18%減の377億3000万ドルだった。貿易収支は黒字だったが、輸出の減少が目立つ。

 韓国の4月の輸出は数量ベースで0.8%の減少にとどまったが、輸出品の単価下落で金額ベースでは8%減少した。輸出単価を見ると、鉄鋼が8.7%、繊維が6.5%、テレビが2%それぞれ前年同月を下回った。韓国経済研究院のペ・サングン副院長は「貿易価格の続落を予想するデフレ効果で世界的な貿易量が減ることが大きな問題だ」と指摘した。

 一方、日本は今年3月の輸出額が8.5%増となるなど、7カ月連続で伸びを示している。積極的な通貨政策による円安が日本製品の輸出競争力を高めた結果だ。

金正薫(キム・ジョンフン)記者 , 李仁烈(イ・インヨル)記者
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