Updated: Tokyo  2015/05/07 03:23  |  New York  2015/05/06 14:23  |  London  2015/05/06 19:23
 

アジア開発銀:年間融資50%拡大、官民事業で銀行8行と合意

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  (ブルームバーグ):日本が主導するアジア開発銀行(ADB)は、地域経済の資金源としてのプレゼンスを確保するための方策を打ち出した。アジアの開発投資をめぐっては、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)が注目を集めている。

ADBは2日にアゼルバイジャンのバクーで年次総会を開始。40年に及ぶ開発基金としての在り方を抜本的に見直し、年間融資枠を50%拡大し最大200億ドル(約2兆4030億円)にすると発表した。総会ではPPP(官民パートナーシップ)インフラ投資事業などを支援するための資金を別に確保する方針なども明らかにした。

ADBはこれまで日本と米国のリーダーシップの下、インドやベトナム、インドネシアの開発に貢献してきた。この関係は中国主導のAIIBの台頭で変化する可能性がある。

ADBの中尾武彦総裁は1日にAIIBの金立群臨時事務局長と1時間会談した後、「AIIBはADBと競争するのではなく、ADBを補完するものだと中国側は言っている」と記者団に明らかにした。「アジアにとって資金源が増えるのは喜ばしい」と話した。

中尾総裁はADBのプロジェクトの80%がインフラ関連であると指摘し、協調融資を含めAIIBと協力する用意があるとの考えをあらためて示した。

銀行8行と合意

ADBは今回の総会で、加盟国によるPPP事業の調査検討を支援するため、年末までに1億5000万ドルの基金を創設すると発表。このほか、三菱東京UFJ銀行やHSBCホールディングスなど商業銀行8行との間でPPP事業を共同で助言する合意をとりまとめ、調印に至った。「極めて重要な」インフラ事業への民間資金取り込みを加速させる。

ADB総会のパネルディスカッションに参加した麻生太郎財務相は、日本がアジアで質の高いインフラ投資を推進すると表明。人的リソースや知識、資金面でADBへの貢献を続けると述べた

原題:Japan-Led ADB Starts Feeling Competition From China’s AIIB (1)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:モスクワ Anna Andrianova aandrianova@bloomberg.net;バクー Zulfugar Agayev zagayev@bloomberg.net;マニラ Karl Lester M. Yap kyap5@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Stephanie Phang sphang@bloomberg.net; Balazs Penz bpenz@bloomberg.net Iain McDonald

更新日時: 2015/05/04 23:33 JST

 
 
 
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