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【取材日記】世界の人々の手助けを待つ廃虚のネパール
2015年05月06日17時07分[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
3日、ネパールのサラスワティスタンの住民が列をつくってワールドビジョンの救援物資を受けている。 |
地震の被害者にいま最も必要なのは防水布と防寒用毛布、飲料水だ。家が復旧するまで居住するところがないからだ。首都カトマンズから離れた山間地域の状況ははるかに劣悪だった。道路が崩れて孤立したり、村に電話がなく被害状況も把握できなかった。現地関係者は「6月から雨季に入れば、より多くの救援物資が必要になる」と心配した。
ネパール政府の手が回らない地方の村住民のケアは国際救護団体が引き受けている。ワールドビジョンは3日、被害地域のパクタプルから山道に沿って1時間以上入った海抜2000メートルの部族村4カ所に毛布200枚を伝えた。村に救護団体が訪ねると、住民が押し寄せた。
サラスワティスタン村のビマラ・パリヤルさん(24)は「3歳の娘を冷たいところに寝かせることができず、お腹の上にのせて寝ていたが、これでひとまず安心できる」と語った。児童の保養所7カ所も設置された。子どもはテントの周囲で折り紙やサイコロゲーム、バドミントン、サッカーをしながら心の傷を克服しようとしている。スジャタさん(13、女子生徒)は「学校は閉鎖されたが、友達がここに集まれたことだけでもよかった」と話した。
5日現在、地震による死者が7250人、負傷者も1万4122人にのぼる。ヤン・ホスン・ワールドビジョンコリア会長は「被害状況を収拾して都市を復旧するのに10年はかかるだろう」と話した。こうした状況を利用して利益を得ようとする者もいた。救援物資が無関税である点を利用し、無関税で工業製品を持ち込む商人が摘発された。ネパール政府も救援作業一元化という名分で民間団体の支援活動を委縮させているという批判を受けている。専門性がない民間救護団体が3万個以上も乱立し、救援活動を妨げているという指摘もある。
にもかかわらず災難を乗り越える唯一の方法は国際的な連帯だ。国連をはじめ、赤十字・国境なき医師団・ユニセフなどが物資と医療装備を持って毎日のように奥地を回っている。世界のオンライン活動家は地震被害地図を作った。寄付金も続いている。こうした人々のおかけで、遅いペースではあるが、ネパールは以前の姿を取り戻していくだろう。ここのあいさつの言葉「ナマステ」は「私の中の神があなたの中の神にあいさつする」という意味だという。今は私たちがネパールに向かって「ナマステ」を叫ぶ時だ。
チェ・ユンギョン社会部門記者