組織や人間関係で「タテ」とか「ヨコ」の関係という言い方をします。よく考えてみるとおかしな言い方です。人と人の関係に「タテ」や「ヨコ」が入り込んできたのはいつごろからだと思われますか。
(ひつじ、女性、50歳、会社役員)
さあ、いつごろなんでしょうね? 僕にきかれてもわかりません。文学の世界では「前衛か後衛か」とか「右寄りか左寄りか」とか「純文学かエンタメか」で座標ができていて、それぞれの作家はそこに自動的にピピっとマッピングされます。というか、されてきました。でも今ではだんだんそういう位置づけが困難になってきています。また座標軸そのものが無意味にもなってきています。とても良いことですね。そんなの勝手にマッピングされたくないですよ。
どんな社会においても、タテとかヨコとか関係なく、人と人とが自由に行き来して生きていけるといいですよね。風通しの悪い場所は疲れます。
村上春樹拝