先日、知らない猫と道ですれ違い、すれ違いざまに足をパンチされました。びっくりして思わず『なにっ?』と振り向くと、あちらも振り向いてなんとも言えない顔でじっと私を見ていました。
いったい何が言いたかったのでしょうか?春樹さんの次の作品を心から楽しみにしています。
(ちよまる、女性、38歳、臨床心理士)
きっと猫の虫の居所がわるかったのでしょう。そういうこともたまにはあります。
数年前にギリシャのある島に行ったとき、逆のケースを目撃しました。田舎道を黒服を着た未亡人風のおばあさんが買い物かごを持って歩いていて、そこにとても可愛い子猫が寄っていって、頭を足にすりつけたんですが、おばあさんは思い切り猫を蹴飛ばしました。子猫は「みゃあああ」と叫びながら、4メートルくらい向こうに飛ばされました。見かけに似合わず、かなりのキック力だったです。そういうこともありますので、猫に多少パンチされても、寛容に許してあげてください。猫にもいろいろ事情があるのかもしれません。
村上春樹拝