以前、村上さんのエッセーで「中国の動物園でトラの赤ちゃんを抱っこして写真撮影(ところが予想外に大きくて獰猛だった)」のエピソードを読みました。実は私も中国(桂林の近くの動物園)で、「大型のトラにまたがって写真撮影」というのに挑戦したことがあります。鎖も口輪もしていない大型のトラの檻に一人ずつ入って撮影します。トラのほうもうっとうしいのか、5人に1回の頻度で大暴れします。係員がなだめて落ち着いたら再び続行します。私はこの機会を逃したら、一生トラにまたがる機会はないと思って挑みました。トラの背中の感触や、想像を絶する獣臭は忘れられない思い出です。日本では絶対に無理ですよね。私は中国のこんなところが好きです。
(香川県のまきんこ、女性、50歳、会社員)
はあ、それはすごい体験でしたね。しかし中国の虎もいろんなことをさせられて大変だなあ。つい同情してしまいます。「なんなんだよ、ここはいったい? ここ、動物園だろ。なんでこんなことやらされるわけ? やってらんねえよ」みたいなことを虎は思っているのかもしれません。ヨーロッパの動物園だとそんなことはありえませんよね、たしかにおおらかというか……。しかし噛まれなくてよかったですね。僕はもう少しで子虎に噛まれそうになりました。
村上春樹拝