村上春樹さんの作品の大ファンです。ホームページの開設を心待ちにしていました。
小学生のときに家の本棚にあった『中国行きのスロウ・ボート』が初めて読んだ作品です。そのときはまったく理解不能だったのですが、大学生のときに再び手に取り、それ以来はまってしまいました。
村上さんの本一つひとつも大好きなのですが、それよりも作品ごとに、どんどん村上さんの書く物語が広く、深くなっていくところがもっともっと好きです。
ひとつのことを継続して粘り強く掘り下げていけば、こんなに人は成長することができるということを、なんだか勝手に学ばせていただいてます。
村上さんにとって、あまり学校の教師の印象が良くないかもしれませんが、すこしでもそういう子どもを減らせるように、自分の持ち場である授業の中身を深く、広いものにしていきたいと思います。
お体に気をつけてください。新しい作品を楽しみにしています。
(高校英語教師、男性、34歳、教師)
お褒めいただきありがとうございます。でもあなたとは逆に、「村上さんの小説はどんどんつまらなくなっていきます」という方も少なからずおられます。前の方がよかった、と。世の中にはいろんな感じ方があります。むずかしいものですね。僕としてはやはり、ベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタや後期カルテットみたいに「だんだん世界が深まっていく」というのが、ひとつの理想モデルとしてあるのですが。でもまあそれはそれとして、僕は何か新しいことをやりだすと、ついついそれにのめりこんで夢中になってしまい、それ以外のことがほとんどなにも考えられなくなるという傾向があります。方向性なんてぜんぜん頭から消えてしまい、「行き先はボールに聞いてくれ」というようなことになります。まあ、それはそれでいいんですが。
村上春樹拝